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ばけばけの日本滞在記の実在モデルは?翻訳本はどこで読める?【小泉八雲】

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本を持って喜んでいる夫婦
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小泉八雲と妻をモデルにした朝ドラ「ばけばけ」。

第16週では、ついにヘブンの「日本滞在記」が完成し、パーティーが行われます。

気になるのは、「モデルの小泉八雲も日本滞在記を書いていたの?」「日本語で読める本はある?」という点ですよね。

そこで今回は、

  • 【ばけばけ】ヘブンの日本滞在記の実在モデルとは?
  • 小泉八雲の日本滞在記(翻訳本)はどこで読める?

について詳しく解説していきます。

目次

【ばけばけ】日本滞在記のモデルは「知られぬ日本の面影」

結論から言うと、ドラマ「ばけばけ」でヘブンが執筆している「日本滞在記」のモデルとなったのは、

知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)

という本である可能性がとても高いです。

来日直後のエッセイ

この本は、1890年に来日した小泉八雲が、横浜、松江、熊本などで過ごした初期の体験をまとめたエッセイ集(紀行文)です。

なにもかもが、言いようもなく愉快で、目新しくてたまらない。
だから、どこでもいい、行けるところへ引っぱって行けと、それをいうのに身ぶり手ぶりで―それも正気の沙汰とは思われぬ身ぶり手ぶりで示す以外に、乗っている俥(くるま)やに、ことばを通じる手だてがない。

なにを見ても、まるで小人の国のようだ。
だいいち、住んでいる人間が、どれもこれもみんな小さくて、風変わりで、とてもこの世のものとは思われない。
人間につれて、物までがやはりその通りだ。

引用:『日本瞥見記』平井呈一 訳

こちらは全て英語で描かれ、欧米の読者に向けて発売されたものです。

知られざる日本の面影
タイトルGlimpses of Unfamiliar Japan
(邦題:知られぬ日本の面影)
構成全2巻(※英文)
出版日1984年(明治27年)9月
出版社アメリカ: ホートン・ミフリン社(Houghton, Mifflin and Company)
イギリス: オズグッド・マキルベイン社(Osgood, McIlvaine & Co.)

実際にどのくらい売れたのか?という情報はありませんが、小泉八雲の作家としての地位を決定づけた作品として知られています。

欧米では、「日本について書かれた最も美しい本の一つ」と評され、欧米人が日本を理解するための「必読書」としてロングセラーとなりました。

本の構成(目次)

小泉八雲の日本滞在記である「知られぬ日本の面影」の目次は以下のとおりです。

知られぬ日本の面影(上)

  • 極東第一日目
  • 弘法大師の書
  • 地蔵
  • 江の島行脚
  • 盆市で
  • 盆おどり
  • 神々の国の首都
  • 杵築-日本最古の神社
  • 潜戸-子供も亡霊岩屋
  • 美保関
  • 杵築雑記
  • 日ノ御碕
  • 心中
  • 八重垣神社
  • キツネ

知られぬ日本の面影(下)

  • 日本の庭
  • 家庭の祭壇
  • 女の髪
  • 英語教師の日記から

タイトルに込められた意味

この本の中で、特に有名なのが、彼が最も愛した「松江での暮らし」を描いた部分です。

例えば、

  • 宍道湖の美しい夕日
  • 出雲大社の厳かさ
  • 当時の人々の信仰心や生活習慣

などを、外国人の目線から驚きと敬意を持って綴られています。

小泉八雲は、急速に西洋化していく明治の日本ではなく、「西洋人がまだ知らない、神秘的で美しい本来の日本」を愛しました。

当時、西洋に紹介されていた日本といえば、「ゲイシャ」「フジサン」「近代化を進める軍事国家」などのようなものがほとんど。

しかし、八雲が伝えたかったのは、そうした表面的な日本ではなく、

  • 日本人の心の奥にある信仰心(神道や仏教)
  • 自然と共に生きる素朴な暮らし
  • 目に見えない霊的な世界(怪談や伝説)

でした。

そのため「知られざる日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)」という、ミステリアスで儚ない雰囲気を持たせたタイトルとなっています。

この本は、失われつつあった「日本の心」を世界に伝えた貴重な記録と言えるでしょう。

日本人の妻との合作

この本は、日本人の妻・小泉セツさんと結婚した約3年後に完成しています。

小泉八雲は日本語が読めなかったため、日本の伝説や怪談の執筆には妻・セツの協力が不可欠でした。

実際、この「知られざる日本の面影」に収録されている怪談は、すでに「ばけばけ」で登場してきたものばかりです。

本で紹介された怪談(一部)

「妻から聞いた」とはハッキリ書かれていないものの、セツの協力があったことは間違いありません。

ドラマでヘブンがトキに「もっと話を聞かせて!」と頼むシーンは、まさにこの本が生まれる過程を描いていたと言えますね。

小泉八雲の日本滞在記(知られぬ日本の面影)はどこで読める?

小泉八雲の「知られぬ日本の面影」には、以下のような日本語訳があります。

  • 『日本瞥見記 上・下』(平井呈一訳/恒文社)
  • 『新編 日本の面影 Ⅰ・Ⅱ』(池田雅之訳/角川ソフィア文庫)
  • 『明治日本の面影』(平川祐弘編訳/講談社学術文庫)

ドラマを見て「実際に読んでみたい!」と思った方のために、現在読むことができる主な方法をご紹介します。

  • 翻訳された本を買う
  • 電子書籍で読む
  • 図書館で借りる(国会図書館デジタルでも閲覧可能)

1. 書籍で購入(文庫本)

新品でゆっくり読みたい場合は、文庫本がおすすめです。

翻訳者によってニュアンスが異なるため、読み比べてみても良いでしょう。

新編「日本の面影」(全2巻)

角川ソフィア文庫より、池田雅之さんの翻訳で書かれたものです。


美しい日本の人々と風物を印象的に描いたハーンの代表作『知られぬ日本の面影』を新編集。松江を活写し、日本人の精神にふれた傑作「神々の国の首都」、西洋人として初の正式昇殿を許された出雲大社の訪問記「杵築─日本最古の神社」、微笑の謎から日本人の本質に迫る「日本人の微笑」など、ハーンのアニミスティックな文学世界、世界観、日本への想いを色濃く伝える11編を詩情豊かな新訳で収録。ハーン文学の決定版!

引用:楽天ブックス

日本への“巡礼の旅”の一歩をしるす「鎌倉・江ノ島詣で」、物語作家としての手腕が遺撼なく発揮された「美保関にて」「日御碕にて」、私たちが忘れかけている風習や信仰を想い出させる「二つの珍しい祭日」「伯耆から隠岐へ」-代表作『知られぬ日本の面影』から、詩情あふれる新訳で十編を新編集。小泉セツが語る感動的な『思い出の記』も付載する。ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿を感じる、文庫オリジナルの第2弾!

引用:楽天ブックス

「明治日本の面影」「神々の国の首都」

講談社学術文庫からも、平川祐弘さんの翻訳で発売されています。


一度愛し棄て去った土地をふたたび訪ね、無傷でいることはできない。なにかが失なわれていた。その不在こそが私の胸中の漠たる悲哀の源なのだ。-出雲をはじめ横浜、京都など日本各地を旅した八雲。そこで出会った様々な人々と風土に、八雲は来日当初とは異なる新たな印象を抱いた。激しい近代化の波の中で失なわれゆく明治日本の気骨と抒情を、深い愛惜の念で綴った感性あふれる名作品集。

引用:楽天ブックス

「人も物もみな、神秘をたたえた、小さな妖精の国」と日本を初めて訪れた八雲は、感嘆の声をあげた。出雲の松江という「神々の国の首都」での彼の見聞記は、人々の日常生活の中に分け入って、深くその心を汲みとろうという姿勢で貫かれ、みずみずしい感動と相まって、見事な文学作品にまで昇華されている。旧い日本と新しい日本が交錯する明治20年代の風物や風習、人々の姿を鮮やかに描いた名著。

引用:楽天ブックス

「小泉八雲日本の面影」

最初に紹介した「池田雅之さん」の翻訳本を1冊に凝縮したものも、NHK出版から発売されています。


明治の日本、そしてそこに生きた市井の人々の姿を、深い愛情をもって描いた小泉八雲の『日本の面影』は、『怪談』と並び称される彼の代表作である。アイルランド人の父とギリシャ人の母の間に生まれたラフカディオ・ハーンは、なぜ諸国遍歴を経て日本に辿り着き、帰化して日本人・小泉八雲となったのか。「マルチ・アイデンティティ」の作家・八雲の目を通して、近代日本の歩みの意味を考える。

引用:楽天ブックス

2. 電子書籍で読む

Kindleや楽天Koboなどの電子書籍ストアでも配信されていますので、スマホやタブレットですぐに読みたい方に最適です。

先ほどご紹介した「電子書籍版」はこちらです!




※平川祐弘さんの翻訳の「明治日本の面影」「神々の国の首都」は電子書籍化されていませんでした。

また、逆に、「電子書籍のみ」で配信されている本もあります。


代表作『知られぬ日本の面影』から、詩情あふれる新訳で合計21編を新編集。ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿を感じる、文庫オリジナルの新訳決定版。はじめに東洋の第一日目盆踊り神々の国の首都杵築ーー日本最古の神社子どもたちの死霊の岩屋でーー加賀の潜戸日本海に沿って日本の庭にて英語教師の日記から日本人の微笑さようなら弘法大師の書鎌倉・江ノ島詣で盆市美保関にて日御碕にて八重垣神社狐二つの珍しい祭日伯耆から隠岐へ幽霊とお化け思い出の記 小泉節子ラフカディオ・ハーン略年譜
※本書は「新編 日本の面影」「新編 日本の面影 II」の2冊を合わせた合本版です。

引用:楽天ブックス

3. 図書館で借りる

今までのご紹介した本は、多くの図書館にも所蔵されている可能性が高いです。

お近くの図書館にて、

  • 日本の面影(にほんのおもかげ)
  • 小泉八雲(こいずみやくも)
  • 日本瞥見記(にほんべっけんき)

などのキーワードで検索して探してみましょう!

「ばけばけ」ブームで予約待ちになる可能性もありますが、お金をかけずに読めるのはありがたいですね。

また、少しマニアックな方法になりますが、「国会図書館デジタルコレクション」でも「日本瞥見記(上・下)」を自宅で閲覧可能です。

※利用者登録(無料)が必要となります。

とても便利ですので、この機会にぜひご活用されてみてください。

国会図書館デジタルコレクションをみる

まとめ

今回は、朝ドラ「ばけばけ」で完成したヘブンの「日本滞在記」のモデルとなった書籍『知られぬ日本の面影』について解説しました。

記事のポイントを改めて振り返りましょう。

  • モデルとなった本
    『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』
  • 本の内容
    松江の美しい風景や、当時の日本人の精神、怪談などが、日本への深い愛と敬意を持って綴られている。
  • 夫婦の絆
    日本語がわからないヘブンのために、トキ(セツ)が語り聞かせた物語がベースとなった「夫婦の合作」。
  • 読む方法
    文庫本、電子書籍、図書館など好みに合わせてチョイス。

小泉八雲といえば「怪談」が有名ですが、国境を越えた二人が心を通わせ、数々の困難を乗り越えて最初に形を残した記念すべき本です。

ぜひこの機会に、小泉八雲の名著を読んで、「ばけばけ」の世界をもっと楽しんでみてくださいね!

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