ブラッサム月給8円の価値は今のいくら?宇野千代の代用教員時代の史実を深掘り【珠の給料】

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ブラッサム珠の月給8円の価値は?
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宇野千代さんをモデルにした朝ドラ「ブラッサム」。

第3週では、女学校を卒業した葉野珠が、小学校の代用教員として働きはじめます。

そして描かれるのが、初めてもらった給料をすべて母に渡すというシーン。

実はこのエピソード、珠のモデルとなった宇野千代さんの自伝「生きて行く私」に書かれた実話がもとになっています。

その自伝に出てくる金額が「月給8円」でした。

この「月給8円」とは、現代の価値でいくらくらいなのでしょうか?

そこで今回は、

  • 【ブラッサム】珠の月給8円の価値は今のいくら?
  • 【史実】宇野千代の代用教員時代と月給8円の使い道は?

といった視点で詳しく解説していきます!

※本記事では、朝ドラ「ブラッサム」の今後の展開が含まれる可能性がありますのでご注意ください。

目次

ブラッサム|月給8円の価値は今のいくら?現在の価値に換算

当時の「8円」の価値は、現在の約10万円〜15万円ほどだったと考えられます。

つまり、「月給8円」は、現在の感覚で考えると決して高い給料ではありませんでした。

宇野千代さん自身も、自伝の中で、「この8円が今のお金でどれくらいになるのかは分からないが、生まれて初めての報酬に感動した」と書いています。

昔のお金の換算にはいろいろな方法があるものの、この記事では「給料の比較」でシンプルに考えてみます。

まずは、「代用教員」という職種からみていきましょう。

「代用教員」は免許がない先生

代用教員とは、教員免許を持たずに小学校で教えていた先生のことです。

戦前の小学校では、師範学校などを出て免許を持つ正規の教員を「訓導(くんどう)」と呼んでいました。

その下に「准訓導」があり、さらにその下に位置づけられていたのが「代用教員」です。

呼び名教員免許どんな先生?
訓導
(くんどう)
正教員の免許あり師範学校の卒業や検定合格で免許を得た、正規の先生
准訓導
(じゅんくんどう)
准教員の免許あり訓導を補助する立場の先生
代用教員免許なし教員不足を補うため、免許のないまま教壇に立つ先生

現代に例えると、

免許を持たない「非正規の補助の先生」

というイメージに近いでしょう。

当時は正規の教員の数が足りず、免許のない人も教壇に立っていました。

歌人の石川啄木が、故郷の小学校で代用教員をしていたことも有名です。

宇野千代さんも、師範学校ではなく女学校を出ただけだったため、訓導でも准訓導でもない「代用教員」だったと自伝で振り返っています。

正規教員の給料のほぼ半分

では、正規の教員はいくらもらっていたのでしょうか?

「値段史年表」(朝日新聞社)によると、大正時代の小学校教員の初任給は「12円〜20円」ほどでした。

平均すると「月16円」くらいです。

これに対して、代用教員だった宇野千代さんの月給は「8円」。

つまり、代用教員の給料は、

正規教員の初任給の半分ほど

しかなかったことになります。

「当時17歳」という年齢の若さもありますが、同じ教室で、同じように子どもたちを教えていても、免許があるかないかでこれだけの差があったのですね。

現在の価値では約10〜15万円

現在の初任給を基準に考えて、「月給8円」を現在の価値に換算してみましょう。

2026年の大卒初任給の平均は、「約25万円」です。(産労総合研究所調べ)

先ほどご紹介したように、「月給8円」とは、正規教員の初任給の「半分」ほどでした。

25万円の半分は、約12万5,000円。

当時の初任給に幅があることを考えると、月給8円は、現在の約10万円〜15万円くらいの価値(1円=約13,000円~19,000円)だったと言えます。

現代の感覚に例えると、

月収10万円ちょっとの非正規の先生

というイメージでしょうか。

ちなみに、朝ドラ「ばけばけ」でも、主人公の友人・おサワが「非正規の小学校教師」として働き、「月給4円」をもらっていた時期がありました。

「ばけばけ」の時代設定は、「ブラッサム」よりも20年ほど古く、当時は「1円=3万~4万円」の価値とされているため、おサワの月給は「約12万~16万円」くらいです。

「非正規」で「女性」となると、やはり似たような水準ということが分かりますね。

史実|宇野千代の代用教員時代と月給8円の使い道は?

宇野千代さんも珠と同じように、月給8円を手つかずのまま継母に渡していました。

翌年に一人暮らしを始めてからも、自分で使ったのは「家賃・黒豆代・白粉代」だけという節約生活でしたが、同僚教師に恋をすると、月給8円のほとんどが「和服」や「化粧代」へと消えていったようです。

祖母の口利きで代用教員に

宇野千代さんが代用教員になったのは、岩国高等女学校を卒業して間もなくのこと。

勤め先は、母の実家がある川下村の小学校です。

大正時代の川下尋常小学校
大正時代の川下尋常小学校(「川下小学校 百年のあゆみ」より)(出典:宇野千代岩国の旅)

この小学校の真ん前では、一人暮らしをする祖母(母の母)が小さな文房具店を営んでいました。

その祖母の口利きで、就職の話がまとまったのだそうです。

自伝によると、当時の田舎では、小学校の教員が「たった一つの女の仕事」。

女学校を出た千代さんにとって、ほかに選べる道はほとんどなかったことが分かります。

月給袋を手つかずのまま母へ

千代さんの川西の実家から、川下村の小学校までは、約一里(約4キロ)。

電車も走っていましたが、千代さんは乗るつもりがなく、毎日歩いて通いました。

日々の節約の甲斐もあり、月給8円が入った月給袋を、千代さんは手つかずのまま母へ差し出したそうです。

すると母は、

「みな、わしが貰うてもええかいの」

と言って、目に涙を浮かべたのだそうです。

千代さんは母の反応を喜びますが、後年、この気持ちは「親孝行」とは少し違っていたと振り返っています。

「母に月給を渡すことが嬉しい。愉しい。だからそうしただけなのだ」と。

その証拠に、母に渡す月給は、やがてほかのことにも使うようになり、少しずつ減っていったそうです。

自分を美化せず、正直に書くところが宇野千代さんらしいですね。

→ブラッサム母リョウのモデル「宇野リュウ」とは?

一人暮らしの出費は「家賃・黒豆・白粉」だけ

その後、千代さんは祖母の世話で、学校の近くの小さな借家で一人暮らしを始めます。

毎朝早く起きて珠の支度を手伝ってくれる継母に気を遣って決めたことでした。

千代さんが借りたのは六畳と四畳半の二部屋で、家賃は月に「50銭」。

月給8円の16分の1ですから、今の感覚では1万円にも満たない金額です。

そして驚くのが、その食生活。

食事は三食とも、煎った黒豆に醤油をかけただけだったと言います。

一人暮らしの千代さんの支出は、

  • 家賃(50銭)
  • 黒豆代(食費)
  • 化粧代(1円50銭)

の3つだけ。

月給袋からこの分だけを差し引いて、残りは母に渡していました。

食事は黒豆だけで済ませても、白粉(おしろい)だけは欠かさなかったというのは、千代さんの「何歳になってもお化粧を欠かさない」という美意識のルーツだったようです。

初恋で増える出費

一人暮らしをして間も無く、宇野千代さんは春にやってきた新任教師の男性に恋をしてしまいます。

ブラッサムでは「島村辰彦」という名前で登場しますが、この恋によって、千代さんの和服にも変化が起きます。

「私のお化粧人生」という自伝によれば、一反で「4円80銭」する銘仙を買って着物に仕立て、裏地をつけると、すぐに月給は無くなってしまう。

母親に渡す分はもちろんなく、月給8円は「化粧」と「和服」の代金に消えていったようです。

その甲斐あってか、千代さんは通勤途中に恋文を渡されたり、体育の時間には校庭に見物客が来るなどモテモテとなりました。

→ブラッサム島村と珠はどうなる?モデルのその後についても

劣等生組にも熱心な先生

最後に、先生としての宇野千代さんの一面もご紹介します。

千代さんが受け持ったのは、最初は二年生、翌年は三年生の「乙組」で、「劣等生組」と呼ばれた、勉強が苦手な子どもたちのクラスでした。

しかし千代さんは、子どもにものを教える仕事が好きだったと言います。

昨日できなかったことができるようになると、千代さんは心から驚き、子どもたちを褒めました。

時には厳しく叱り、今なら体罰になるようなスパルタ式の教育もあったようですが、教室は活気にあふれ、優等生組に負けない力を見せる子も出てきたそうです。

それからおよそ60年後。

千代さんは、かつての教え子たちに招かれて同窓会で再会しています。

そこには、岩国一の大きな呉服屋の主人や、県会議員になった教え子の姿があったそうです。

劣等生も見捨てなかった宇野千代先生のおかげで、自信を取り戻すことができた人もいたのではないでしょうか。

「月給8円」の代用教員は、子どもたちの心にしっかりと残る先生だったのですね。

→ブラッサム次郎役のキャストは誰?

まとめ

今回は、「ブラッサム」で描かれる月給8円の価値と、宇野千代さんの代用教員時代の史実について解説しました。

記事のポイント

  • 月給8円は、現在の約10万円〜15万円
  • 代用教員は免許のない非正規の先生で、給料は正規教員の半分ほど
  • 宇野千代さんは月給を手つかずのまま母に渡していた
  • 一人暮らしの出費は「家賃50銭・黒豆代・白粉代」だけ
  • 同僚男性への恋が始まると月給を全て美容や着物に費やした

頑張って働いた給料を、最初は丸ごと母に渡していた宇野千代さんですが、情熱的な恋により、その使い道は変化していきました。

この教員生活は、あることがきっかけで1年半で終わりとなります。

「ブラッサム」でも、珠は同じエピソードを辿るようです。

気になる今後のあらすじはこちらからどうぞ!

「ブラッサム」のあらすじ

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高野 ななみのアバター 高野 ななみ ブロガー

エンタメブロガー歴5年。
気になったことは徹底的にリサーチするオタク。
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