朝ドラ「ばけばけ」は、明治時代の松江が舞台です。
第2週では、ヒロイン・松野トキ(高石あかり)と雨清水傳(堤真一)が寺院でランデブーをする様子が描かれます。
この寺院は実際に松江にある「清光院(せいこういん)」。
芸者の『松風(まつかぜ)』の悲劇的な怪談が残されているスポットとしても有名です。
そこで今回は、
- 「松風」の怪談のあらすじは?実話なの?
- 松風の怪談が残る「清光院」はどんな場所?
について詳しくご紹介していきます!
芸者「松風」の怪談のあらすじは?実話なの?

松江の清光院に残る「松風(まつかぜ)」の怪談は、嫉妬心にかられた侍から逃げようと、この寺院に追い込まれて亡くなった芸者のお話です。
詳しく見ていきましょう。
嫉妬に狂う侍
それは、江戸時代の終わりの頃のことでした。
花街や遊郭があった「和田見町」というところに、1人の美しい芸者がいたそうです。
その名前は「松風(まつかぜ)」。
松風は人気の芸者でしたが、橋の向こう側に住む「相撲取りの男」と恋に落ちてしまいます。
しかし、松風を気に入っていたある「若い侍」が、その恋を邪魔しようとしていました。
ある夜のこと。
松風が恋仲の相撲取りの家から帰ろうとすると、橋の近くでその若い侍と出くわしてしまいます。
待ち伏せしていたのでしょうか。
松風を見つけたその侍は、彼女を無理やり連れて行こうとします。
”誰か助けて!”
松風は男から抵抗して助けを求めますが、夜中のため人影がありません。
とっさに松風は、橋を渡るのをやめて路地に逃げ隠れます。
そして、そのまま「清光院」へと向かうのでした。
「清光院」は松風の知り合いの住職のいる寺院で、そこでかくまってもらい、一夜を明かそうと考えたのです。
清光院へ逃げ込む松風
しかし、寺の近くまで来たところで、松風は侍に見つかってしまいます。
日頃から、松風にあしらわれていた侍。
逃げる松風に怒り、今にも刀を出しそうな勢いで迫ってきます。
松風は侍を振り切るように石段を登っていきますが、すぐに侍に追いつかれてしまいます。
そして侍は、刀を抜き、背後から松風を斬り込んだのです。
松風は、深い傷を負いました。
しかし、気が張っていたのか、松風はまだ動けました。
よろめきながらも松風はそのまま境内に入って行ったのです。
”ふん、あれだけの傷だ。もはや助かることはないだろう”
侍は、それ以上、もう松風を追うことはありませんでした。
たどり着いたのは位牌堂
境内に入った松風は、「位牌堂(いはいどう)」へと向かいます。
しかし、位牌堂を登る階段の途中で、ついに事切れてしまいます。
松風には、住職を呼ぶ気力すら残っていませんでした。
翌朝。
位牌堂の階段で倒れている松風が発見されます。
松風は、そのまま清光院で葬られることに・・・。
位牌堂の階段には、松風の血がベッタリと染み込んでいました。
〜終わり〜
【本当の話?】
松風の悲劇のストーリーが実話かどうかは不明です。
しかし、事の顛末が詳細に語り注がれていることからも、実話をもとにした物語である可能性が高いと思われます。
実際に松江にあった和多見の遊郭については、こちらの記事をご覧ください。

「松風」怪談は何が怖い?清光院で起こる不思議な現象!

この松風の話が残る松江の「清光院」では、以下のような不思議な現象が起こるとされています。
松風にまつわる怪奇現象
- 消えない血の跡
- 竹やぶで消える刀
- 歌を歌うと亡霊が現れる
ちょっと怖いですが、詳しく見ていきましょう。
消えない血の跡
松風が最後に倒れ込んだ清光院の位牌堂。
ここに染みついた血の跡は、「いくら掃除しても消えることがなかった」と伝えられています。
現在その場所は、扉が閉められていることから見ることができません。
石の階段を登った先の位牌堂の中に、血の跡が残っていたそうです。
明治の半ばごろまでは残っていたそうですが、現在は残っていないという話もあります。
そのため、「ばけばけ」でトキが訪れた際には、まだ残っていたということになりますね。
竹やぶで消える刀
松風の墓は、清光院の竹藪の中にあるとされています。
その竹藪で、「刃物を置いたままにすると無くなってしまう」という怖い話もあるのです。
自分に致命傷を負わせた刀への恨みでしょうか。
松風の幽霊がどこかへ持って行ってしまうのかもしれません。
地元のガイドさんによれば、今も竹林を手入れする業者は、刃物を決して体から離さないようにしているそうです。
ちなみに、松風の墓とされる場所に「松風地蔵」というスポットもあります。
Googleマップの口コミによれば、「なぜか地蔵が乳飲み子を抱えている」とのこと。
つまり、「松風のお腹には子供がいたのではないか」と推測する声もあります。
歌を歌うと亡霊が現れる
さらに、「松風の墓がある竹藪の近くで謡曲「松風」を歌うと、亡霊が現れる」という怖い話も残されています。
謡曲「松風」とは、能の作品の一つです。
清光院では流さないでね!
この謡曲は、海女であった姉妹「松風」「村雨」の亡霊を鎮める内容です。
亡くなった芸者の名前と同じ「松風」という曲名であることから、いつからか関連づけられるようになったようです。
地元のガイドさんによれば、実際に、ここで謡曲を歌った武士がいたそうです。
すると、真っ赤に染まった着物を身につけ、髪を振り乱し、青白い顔をした芸者の幽霊が現れたそうです。
流石の武士も、一目散に逃げたんだとか・・・。
このように特定の謡曲を歌うと祟りがあるという伝承は、松江の他の場所にもいくつか残されています。
松風の怪談が残る「清光院」はどんな場所?

最後に、そんな怪談がある「清光院」について簡単に見ていきましょう!
清光院の見どころ
清光院(せいこういん)は、松平家菩提寺・月照寺のすぐ隣にある曹洞宗の寺院です。
山号は「寶珠山」、本尊は「釈迦牟尼仏」。
築200年ほどの歴史ある寺院です。
階段を登り山門をくぐると、境内には「本堂」や「位牌堂」などがあります。
清光院を紹介した動画
石像や鐘堂などもあり、奥の方には墓地もあります。
手入れの行き届いた綺麗な境内で、歴史と趣が感じられるスポットです。
清光院の場所・アクセス
清光院の所在地やアクセス方法は以下の通りです。
- 所在地:鳥取県松江市外中原町194
- アクセス:バス停「清光院下」徒歩1分、「松江しんじ湖温泉駅」徒歩9分、松江市役所から徒歩11分
※拝観時間などは、公式サイトからご確認ください。
松風が清光院に逃げたルート
ちなみに、芸者の松風は、大橋川を渡る手前から清光院に向かって逃げていったそうです。
当時のルートを推測すると、このような感じでしょうか?
当時の道路状況とはかなり異なるでしょうが、「約1.2km」「17分」という距離ということがわかりました。
着物を着ながら草履で走っていたはずなので、たとえ年齢が若くても体力がきつかったのではないかと想像できます。
「松風」に思いを馳せたい方は、ぜひこのルートを辿って清光院まで訪れてみてください。
「松風」の怪談・清光院に関するQ&A

芸者の松風が逃げ込んだ「位牌堂」とはどんな場所ですか?
位牌堂とは、故人の「位牌」を祀っている場所です。
「位牌」は、故人の戒名・没年月日・享年などを記した木札のことです。
ばけばけの清光院のシーンは、実際の清光院で撮影されましたか?
いいえ。
滋賀県大津市にある「安楽律院」で撮影されています。
見合い相手の銀二郎とトキが渡った石の橋は、同じく大津市の日吉大社内にある「走井橋」で撮影された可能性が高いです。
小泉八雲は「松風」の怪談を書籍に残していますか?
いいえ。
小泉八雲は松江に残る不思議な話を愛していましたが、「松風」の怪談が収められている本は確認できていません。
一方で、松江市にある大雄寺の「飴を買う女」などの話は、小泉八雲の『知られぬ日本の面影』の中に収録されています。
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