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ばけばけトキの父親モデルは牛乳配達?小泉セツの養父の史実【ウサギで借金・松牛舎】

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ばけばけトキの父親
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小泉セツと八雲の夫婦をモデルにした朝ドラ「ばけばけ」。

主人公トキの父親・松野司之介(岡部たかし)は元士族ですが、あることがきっかけで大きな借金を背負うことに・・・。

「父親の借金が原因で貧乏になった」というのは、史実に基づいたエピソードなのでしょうか?

そこで今回は、

  • ばけばけ】トキの父親のウサギ・借金・牛乳配達の史実とは
  • 【ばけばけ】トキの父親のモデル・小泉セツの父はどんな人?

について詳しくご紹介していきます。

※本記事には、朝ドラ「ばけばけ」の今後の展開を含む可能性がありますのでご注意ください。

目次

【ばけばけ】トキの父親のウサギ・借金・牛乳配達は史実?

ウサギ

トキの父親のモデルが借金を負ったのは史実ですが、「ウサギビジネス」や「牛乳配達」をしていたという史実はありません。

ドラマと史実との違いを詳しく見ていきましょう!

借金の原因は詐欺

  • ばけばけ:ウサギビジネスに失敗して借金
  • 史実:詐欺被害や訴訟で借金

「ばけばけ」トキの父親・松野司之介は、ウサギビジネスで失敗して借金を負います。

一時的には「200円」も大儲けできたものの、ウサギ相場が崩れてしまったのです。

そんなトキの父親の実在モデルは、小泉セツの育ての父・稲垣金十郎(いながき・きんじゅうろう)さんです。

史実では、1975年に士族の家禄奉還の際に「6年分」を一括して受け取り、事業を始めようとしていたんだとか。

実際、どんな事業を始めようとしていたのかは不明です。

ただ、そんな矢先に詐欺被害でお金を失ってしまったようです。

しかし、彼は実業の世界で士族の例外的な成功者になるには、あまりに気が良く、あまりに善良であり、すぐにも狡猾で薄情な手合の詐欺にかかった。
そして稲垣家もまた、家禄奉還による資金を失い、祖母橋脇の先祖代々の屋敷を明け渡さなければならないことになった。

引用:「八雲の妻 小泉セツの生涯」長谷川洋二

これを「事業の失敗」と一括りにしてしまえば、「ばけばけ」と同じかもしれません。

しかし、史実はもっと残酷なものでした。

実はこの後、稲垣金十郎さんは、詐欺の相手から無実の罪を着せられてしまうのです。

小泉セツさんの長男・一雄さんによれば、「金十郎はその裁判費用で全財産を失った」とされています。

一雄は、金十郎が詐欺の相手から無実の罪を着せられ、裁判費用で全財産を失い、日々の生活費にも事欠く有様となったと書いている。

引用:「八雲の妻 小泉セツの生涯」長谷川洋二

当時は、こういった士族絡みの貸金訴訟が多く発生しており、金十郎さんもそのうちの1人だったということです。

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稼ぐ力は無し

  • ばけばけ:牛乳配達で稼ぐ
  • 史実:働いていた情報なし

朝ドラ「ばけばけ」では、借金を作ってしまったトキの父親が「牛乳配達」の仕事をしている設定です。

「松牛舎」という法被を着て、牛乳の配達でお金を稼ぎ、なんとか家計を助けようとしています。

しかし、モデルの稲垣金十郎さん(当時40代)は、事業に失敗して以降、まともに働いていた情報はありません。

稲垣家の主な働き手は、

  • 妻のトミさん(縫い物)
  • 娘のセツさん(機織り)

でした。

それでも家計は困窮し、稼ぎ手として婿養子を迎え入れるものの、行方不明に・・・。

それは、金十郎が家計のために働こうとせず、自分(婿)を頼りに暮らそうとしていることや借金の多さが主な原因だったようです。

養父の金十郎は家計のためといって何ら為すところがなく、家族全部が自分を頼りに暮らそうとしているように思われる。なるほど、姑のトミは縫い物で幾ばくかの金は稼いだし、セツは家での機織に人並外れた精を出し、夜の床に着くまでに、一反を織り上げずにはいなかった。

引用:「八雲の妻 小泉セツの生涯」長谷川洋二

当時は金十郎のように、ビジネスに失敗して自暴自棄になったり、酒に溺れるような元士族も多かったようです。

一方、小説「ヘルンとセツ」では、「金十郎が囲碁を教えて収入を得ていたこともあった」とも書かれています。

少し前までは祖父も父も働いていた。
万右衛門は得意の武芸や書道を、金十郎が囲碁を教えるなどしたのである。

出典:「ヘルンとセツ」田渕久美子

しかし、働いていたのは、セツが小学校の間の一時期のみ。

金十郎は詐欺被害をばかにされたことがきっかけでやめてしまったという話になっていました。

晩年は八雲に養われる

明治という新しい時代に適応できず、働くこともできなかった稲垣金十郎さん。

そんな金十郎さんですが、最終的には娘のセツさんが小泉八雲さんと結婚してことで、穏やかな晩年を過ごしています。

小泉八雲さんの赴任地で同居し、東京の地で、60代前後で生涯を終えています。

ウサギや牛乳ビジネスの実態

明治時代、元士族がビジネスに乗り出した事業は様々ありました。

特に、牧畜や酪農は、明治政府が「文明開花の象徴」としていたこともあり、奨励されていました。

島根県で言えば、明治6年に「鴻生舎(こうせいしゃ)」が創業。

実は、小泉八雲邸にも牛乳配達をしていたという記録が残されています。(1944年に廃業)

八雲は毎日牛乳を飲んだ記録が残っている。
富田屋へ毎日牛乳を配達したのは、1873(明治6)に原文助が創業した牛乳製造販売「鴻生舎・こうせいしゃ」であった。
牛舎、処理所、家屋敷併せて3haの地所を持って中央街で商売をしていた。

鴻生舎の牛乳配達員

これが、「ばけばけ」でトキの父親が働く「松牛舎」のモデルかもしれません。

また、明治初期(明治5年〜13年頃)には「ウサギバブル」と呼ばれる現象も実際にありました。

トキの父親のように、元士族が投資的にウサギの繁殖を始めることもありましたが、ブームが去って破産する人も多かったんだとか。

士族がビジネスで成功した例としては、「養蚕・製糸業」「茶業」などの輸出向け産業がありました。

しかし、そんな成功も一握りのみ。

実際、士族から何らかの事業に成功したのは10人に1〜2人ほどだったという事実からも、失敗して借金を抱えることは決して珍しくなかったのです。

小泉セツの父親・稲垣金十郎(トキの父親モデル)を深掘り

朝ドラ「ばけばけ」で岡部たかしさんが演じる「松野司之介(まつの・つかさのすけ)」は、次のように紹介されています。

トキの父

松野司之介 / 岡部たかし

トキの父。
松江藩の上級武士だったが、時代が明治になると収入がなくなり、苦しい貧乏生活に。
愛する家族のために不器用ながら奮闘する。
トキに「かっこいい」と言われたい!

引用:NHK公式サイト

実際にはどんな人物だったのか、プロフィールや人柄などをご紹介します。

稲垣金十郎のプロフィール

名前稲垣金十郎
読み方いながき・きんじゅうろう
誕生1832年
没年1900年11月19日(68歳)
出身地島根県松江市
家族父:稲垣保山
母:不明
妻:稲垣トミ
娘:小泉セツ(養女)

稲垣家の七代目

稲垣金十郎さんは、京都などで守衛にあたっていた元士族(武士)

稲垣家は大々「万右衛門」を名乗る武士の家で、金十郎の父「稲垣保山」は六代目・万右衛門です。

士族時代の家禄は100万石。

戦国時には12の家来を抱える「並士(なみし)」で、藩の中では「中レベル」くらいの家柄だったようです。

稲垣家は、松江城下の侍町に屋敷を持っていました。

また、小泉セツさんの生家である小泉家とは遠い親戚という関係であり、同じ城下町(南田町)に住んでいました。

稲垣金十郎さんは妻のトミさんと婚姻しますが、子供ができませんでした。

そのため、26歳の時に小泉家からセツを養子として迎えています。

稲垣金十郎の人柄

稲垣金十郎さんは、「好人物だった」と語られています。

連日のように烏丸通に家来を遣って、好物の菓子を買わせたり、後々まで鳥羽伏見の戦いを、おもしろおかしく子供達に語り聞かせるといった、好人物だったものである。

引用:「八雲の妻 小泉セツの生涯」長谷川洋二

明るく、話が上手くて、子供が好き。

そして家来にお菓子を買わせに行くような、ちょっとお調子者だったような雰囲気が伝わってきますね。

また、同書籍には、「人が良過ぎた」とも書かれています。

四十になろうとしていた養父の金十郎は、新時代の厳しい現実に適応することができなかった。
人の良過ぎた彼には、粗暴な世間の苦杯を喫した後、生活のために奮闘することが困難であった。

引用:引用:「八雲の妻 小泉セツの生涯」長谷川洋二

正直、「働かない男」となれば、現代では簡単に捨てられてしまいそうですが・・・

金十郎さんは「お人好しだった」「気のいい性格」ということもあり、演じる岡部たかしさんのように「どこか憎めない人」だったのかもしれません。

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