小泉八雲夫婦をモデルにした朝ドラ「ばけばけ」。
ヘブン先生は、錦織のことを「中学校の同僚」や「世話係」という関係性を超えて、「リテラリーアシスタント」と位置付けました。
錦織も嬉しそうですが、この「リテラリーアシスタント」というのが何なのか気になる人も多いはず。
一体どういう意味なのでしょうか?
この記事では、
- 「リテラリーアシスタント」とはどんな意味?
- ばけばけでの錦織の役割とは?
- 小泉八雲の「リテラリーアシスタント」の史実は?
について詳しく解説していきます!
「リテラリーアシスタント」とはどんな意味?
「ばけばけ」に登場するリテラリー・アシスタントは、英語にすると、Literary Assistantです。
この言葉は、以下の2つの英単語からできています。
- Literary:文学の、文筆の
- Assistant:助手、協力者
つまり、リテラリーアシスタントとは、
作家の創作活動を手伝うパートナー・助手
という意味合いが強い英単語です。
具体的に何をするかと言うと・・・
- 資料や情報を集める
- アイデアの相談
- 原稿の整理
- 翻訳の手伝い
などが考えられます。
作品が生まれる手助けをし、過程を共有する(共に作り上げていく)相手だと考えれば、イメージがつきやすいかもしれません。
ヘブン先生がこの言葉を使ったのは、錦織を単なる通訳や世話係ではなく、
「作家としての自分を支えてくれる知的な相棒」と認めている
と言う敬意が込められていると思われます。
だからこそ錦織はあんなに嬉しそうだったのですね!
「ばけばけ」での錦織の役割とは?

「ばけばけ」の中で、錦織(吉沢亮)はまさにこの「創作を支えるパートナー」としての才能を発揮しています。
彼の主な役割は、以下の3点だと思われます。
- アドバイザー(助言者)
英語が堪能は錦織は、英文で書かれた原稿をいち早く読むことができます。
日本人からの意見は、ヘブンにとっても貴重なアドバイスとなります。 - 翻訳者
錦織は、英語が話せる、日本育ちの日本人です。
西洋人には馴染みのない日本文化や伝統のニュアンスを伝えるアシスタントとしても有能です。 - アテンダー(付添人)
錦織はヘブンの外出や旅行時に同行しながら色々な質問に答えています。
ネタの収集にも錦織が役立っていることが伺えます。
最初は、ただの「お世話係」や「通訳」という立ち位置に見えた錦織。
長い月日を共に過ごす中で、ヘブンとの信頼関係が築かれていきました。
ドラマでは、錦織が校長への昇進よりも「リテラリーアシスタントであり続けられるか?」を心配するシーンもありましたよね。
錦織にとっては、立派な肩書よりも、ヘブン先生に必要とされること、文学のお手伝いできることが何よりの「生きがい」であることが伝わってきます。
愛が深いですね〜!
【史実】小泉八雲の「リテラリーアシスタント」は誰だった?

史実の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の創作活動は、以下の複数の人々の協力によって支えられていました。
八雲のリテラリーアシスタント
- 西田千太郎(錦織のモデル)
- 小泉セツ(トキのモデル)
- 雨森信成(ばけばけ:?)
- 教え子たち
詳しく見ていきましょう!
西田千太郎:最初の親友
「ばけばけ」の錦織のモデルとなった松江中学校の教頭・西田千太郎。
彼は、八雲が来日して最初に出会った最も大切な「親友」「理解者」です。
彼は英語が堪能で、八雲の身の回りの世話から、日本の神話・習慣の解説まで、あらゆる面をサポートしました。
八雲が松江という土地を深く愛せたのは、西田という優れた案内人がいたからこそ。
熊本に移った後に出版された「東の国から」では、
出雲時代のなつかしいおもいでに
西田千太郎へ
と感謝のメッセージを添えて、西田に献呈しています。
まさに「初代リテラリーアシスタント」と言える存在だったのですね。
小泉セツ:最強の語り部
八雲の創作における最大の功労者は、やはり妻のセツです。
代表作「怪談(Kwaidan)」の多くは、セツが記憶していた日本の古い物語や伝説を八雲に語って聞かせ、それを八雲が英語で再構築(再話)するというスタイルで生まれました。
英語が話せなかったセツは、独特の「ヘルンさん言葉(簡易な日本語)」を駆使したり、何度も同じ話を繰り返しながら物語を伝えていたそうです。
八雲自身も彼女を「最高のアシスタント」と認め、その語りの才能を深く愛していました。
幼少の頃から物語好きだったセツは、ハーンの語り部となり、リテラリーアシスタントとして夫の執筆作業の力となっていきました。
引用:小泉八雲記念館
こうして再話されたラフカディオ・ハーンの怪談奇談の多くは、セツが語って聞かせたものです。
ハーンは「この本、みなあなたのおかげで生まれましたの本です。世界で一番良きママさん」(小泉一雄『父小泉八雲』)と妻への感謝を忘れませんでした。
雨森信成:晩年の親友
雨森信成(あまもりのぶしげ)さんは、元福井藩士で留学の経験があり、英語が堪能で、晩年の八雲を支えた親友です。
熊本時代、知人の紹介で出会った二人は意気投合。
雨森さんは、八雲が関心を持った「生まれ変わり」の物語(『勝五郎の転生』)の資料を探し英訳するなど、創作活動に大きく貢献したリテラリーアシスタントでした。
二人の絆の深さを象徴するのが、八雲の代表作「心(Kokoro)」です。
この本の冒頭で八雲は
詩人、学者、愛国者なる友人・雨森信成へ。
という賛辞を捧げています。
近代化が進む日本の中で、古き良き精神を愛す保守主義者であり、八雲の大切な理解者でした。
「ばけばけ」でも、雨森さんをモデルにした人物が登場する可能性が高いでしょう。
教え子たち
八雲を支えた「教え子」のリテラリーアシスタントたちも多くいました。
彼を慕う生徒たちは、卒業後も恩師のために、資料収集や翻訳などに協力していたのです。
特に、松江中学時代の教え子である
- 藤崎八三郎さん
- 大谷正信さん
- 落合貞三郎さん
などが記録として残っています。
今後、それらの役割を「ばけばけ」では、書生として同居する錦織丈(錦織の弟)や正木清一が担っていくのかもしれません。
錦織のモデルの西田千太郎さんは、早くして亡くなってしまいます。
ドラマも史実通りに行くならば、兄・友一のリテラリーアシスタントの役割を弟が受け継いでいくという展開も考えられますね。

まとめ
今回は、ドラマ「ばけばけ」で注目された「リテラリーアシスタント」という言葉の意味と、史実における八雲の協力者たちについて解説しました。
記事のポイントを整理しましょう。
- リテラリーアシスタントとは?
単なる助手や秘書ではなく、「作家の創作を支え、共に作品を創り上げるパートナー」のこと。 - 「ばけばけ」での描かれ方
錦織(吉沢亮)は、社会的地位よりも、ヘブン先生の創作の協力者=リテラリーアシスタントであることに誇りと喜びを感じていた。 - 史実では「チーム戦」
八雲の作品は、親友・西田千太郎、妻・セツ、教え子、そして雨森信成といった多くの人々のリレーによって支えられていた。
小泉八雲が遺した作品の数々は、周囲の人々の温かい想い(リテラリーアシスタントとしての情熱)によって支えられていたのですね。
今後、ドラマの中でこの「リテラリーアシスタント」のバトンが、どのように受け継がれていくのか注目していきましょう!
【関連記事】




コメント