舞台が東京に移った2025年の朝ドラ「あんぱん」。
嵩の仕事の打ち合わせとして「銀座のカフェ」が頻繁に登場するようになりました。
第19週からは、上京したメイコが女給としてカフェで働くことにもなります。
この「銀座のカフェ」とは、実在モデルがあるのでしょうか?
やなせたかしさんの史実や銀座の歴史について深掘りしてみました。
【あんぱん】銀座のカフェのモデルは実在?やなせたかしの史実!

やなせたかしさんが「銀座のカフェ」に通っていた情報はなく、実在モデルはない架空のカフェの可能性が高いです。
詳しくみていきましょう。
銀座三越ではなく日本橋本店
朝ドラ「あんぱん」では、嵩が働く「三星百貨店」は銀座にある設定になっています。
そのため、ドラマ内でも仕事の打ち合わせ・待ち合わせのために「銀座のカフェ」がよく登場するのです。
しかし、史実では、やなせたかしさんは「銀座三越」ではなく、「日本橋三越本店」で採用されていたことが判明しています。
自伝では、「学生時代はよく銀座で遊んでいた」とありますが、社会人になってから「銀座のカフェによく行っていた」という証言は見つけられていません。
ただ、やなせたかしさんは漫画家グループの事務所を銀座に構えていた時代もありました。
そのため、漫画家の仲間や出版関係者とカフェに訪れていた可能性は十分あり得るでしょう。
銀座の老舗カフェがモデル?
あんぱんに登場する「銀座のカフェ」は、実在する「老舗の喫茶店」をモデルにしている可能性があります。
カフェーパウリスタ
銀座といえば、「日本最古の喫茶店」である「カフェーパウリスタ」があります。
「カフェーパウリスタ」は1911年創業で、ブラジル産のコーヒーを安く提供することから始まりました。
「銀ブラ」という語源は、「銀座のパウリスタでブラジルのコーヒーを飲みながら語り合う」であるという説があります。(銀座+ブラジル)
さらに「パウリスタ」のスタッフからは、キーコーヒーや松屋珈琲店の創業者なども輩出されており、コーヒー業界のパイオニア的な存在なのです。
ただ、現在の建物は1970年頃に建て替えられたもの。
残念ながら創業当時のおもむきは残っていませんが、落ち着いた空間が広がっています。
トリコロール本店
同じく銀座に店を構える1936年創業の「トリコロール」は、レトロな純喫茶の雰囲気が残るお店です。
こちらの方が、よりあんぱんの「銀座のカフェ」のイメージに近いかもしれません。
久々に銀座 トリコロールへ。重厚な木製回転扉に何度もときめきます。2階へ上がる階段、頭上で輝くシャンデリア、踏みしめるのがもったいないような絨毯、晴れた日には光が射し込む天窓など、細部まで美しい。目の前で珈琲とミルクを混ぜ合わせて下さるアイスカフェ・オ・レのパフォーマンスも楽しく。 pic.twitter.com/GaUd0QUqYz
— 純喫茶コレクション (@retrokissa) May 10, 2024
アンティークな雰囲気がそのまま残る店内は、タイムスリップしたような経験を味うことができます。
目の前で注がれるカフェオレや手作りのアップルパイなどが人気です!
登美子の証言
朝ドラ「あんぱん」では、銀座のカフェを訪れた際、登美子が「清さんとよく来たわ」と懐かしむシーンがありましたよね。
嵩が生まれたのは、1919年(大正8年)です。
つまり、嵩が生まれる前の1919年以前に存在していたお店ということになります。
この登美子の証言を活かすとすれば、1911年創業の「カフェーパウリスタ」が実在モデルに近いのかもしれません。
ただ、「カフェーパウリスタ」は女給ではなく男性の給仕を置いていたという情報もあります。
そのため、あんぱんに登場する「銀座のカフェ」のモデルとは言い切れない部分があります。
朝ドラでは、「行きつけのお店」を作る設定が多くみられるため、架空の銀座のカフェを作り上げた可能性がありますね。
【あんぱん】銀座のカフェの女給の給料・収入はどのくらいだった?

余談にはなりますが、1940年〜1950年頃のカフェの女給とは、いくらほど稼ぐことができたのでしょうか?
具体的な資料は残っていないものの、
月収は1,000円〜3,000円前後
と考えられます。
当時の国家公務員の初任給は、900円〜1,200円以上でしたから、女給の収入は中堅サラリーマンに匹敵するほどだったようです!
さらに、女給として人気が出てチップをもらえたり、都市部の店舗ではこれ以上の稼ぎがあった可能性もあったんだとか。
「カフェー」は、戦後の貧困期においては、女性が学歴や資格がなくても働ける貴重な職場でした。
一方で、現在のキャバクラ・風俗のような「特殊カフェー」というものも存在し、女給と客が個人的な関係に発展することもありました。
いわゆる水商売ですね。
朝ドラ「虎に翼」で山田よねが働いていた「カフェー燈台」は、こちらの部類に入るものです。
今回は、メイコが働くことになる銀座のカフェは、いかがわしい接待はない「純喫茶(普通のカフェー)」です。
それにしても、可愛らしいエプロン姿にファンも増えそうな気が・・・!
しっかりとお給料がもらえそうな働き口を見つけることができて、のぶや蘭子も安心ですね。
あんぱんの最終回までのあらすじはこちらからお読みいただけます。(随時更新中)

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