やなせたかし夫婦をモデルにした朝ドラ「あんぱん」が人気ですね。
朝ドラ「あんぱん」と同じように、やなせたかしさんには2歳下の弟・柳瀬千尋さんがいました。
やなせたかしさんは「アンパンマンを描くとき、顔が似ている弟を思い出して切なくなる」と語っているように、どこかアンパンマンの面影があったようです。
そこで今回は、
- やなせたかしの弟・柳瀬千尋の顔写真はある?
- やなせたかしの弟・柳瀬千尋はアンパンマン似?
について詳しくご紹介していきます!
やなせたかしの弟・柳瀬千尋の顔写真や画像はある?

やなせたかしさんの関連書籍や取材等の中で、弟・柳瀬千尋さんの顔写真が数枚公開されています。
詳しくみて行きましょう。
京都帝大時代の柳瀬千尋さんの写真(1942年)
京都帝大時代の柳瀬千尋さん(その1) pic.twitter.com/fBUVW09wlD
— rin (@rinakano2) June 5, 2025
やなせたかしさんの弟・柳瀬千尋さんは、旧制高知高校(現・高知大学)に進学し、その後、京都帝国大学へと進みました。
こちらの写真は、その京都帝大時代に母親・登喜子さんと一緒に撮った写真の一部です。
この写真の撮影時期は1942年で、柳瀬千尋さんは21歳でした。
どことなく兄のやなせたかしさんと似ているようにも感じられますが・・・
やなせさん自身は、「ハンサムな弟・千尋さんに対して劣等感を持っていた」と後に語っています。
兄弟であっても、やなせたかしさんは父親似、柳瀬千尋さんは美人の母親似だと周囲に言われ続けて育ったことが原因だったようです。
ぼくとちがって、色白で眼が大きく、性質は明るく活発で、誰にでも愛された。
やなせ たかし. アンパンマンの遺書 (岩波現代文庫) (pp. 20-21).
「お兄さんはお父さん似でおとなしいが、器量が悪い。弟さんはお母さん似でハンサムで快活だ」
子供の時、ぼくはこれに似た言葉を何度となく聞いた。男の子だからこんなことは気にならないかというと、大いに気になる。
兄弟は互いに競争するところがある。あんまりくりかえして不器量だといわれたので、ぼくは暗くてシャイな性格になった。
友人とくつろぐ柳瀬千尋さんの写真(1942年)
京都帝大時代の柳瀬千尋さん(その2) pic.twitter.com/MkfFT9pqjN
— rin (@rinakano2) June 5, 2025
こちらも、京都帝大時代の柳瀬千尋さんです。
先ほどのかしこまった雰囲気とは異なり、友人と京都の川で撮った一コマだそうです。
この時、柳瀬千尋さんは京都帝大の2年生でした。
本来は3年間の学生生活の予定でしたが、卒業が半年繰上げ(9月卒業)へ。
当時は、すでにアメリカ・イギリスとの全面的な戦いが始まっていました。
千尋さんたち学生にも、徴兵の足音が確実に近づいてきていたのです。
最終学年になると、柳瀬千尋さんは同郷の親友たちと共に、卒業前に各地に旅行に出かけたそうです。
自分の未来を、国のために捧げなければいけなかった当時の学生たち。
一体どんな思いで過ごしていたのでしょうか?
当時、柳瀬千尋さんと共に奈良へ旅行に出かけた親友の広井さんは、このような日記を残しています。
しかし、この奈良の地も五重塔をかすめて飛行機は飛び、楼の一隅の建物の中では徴兵検査が行われていた。一種のアナクロニズムである。
門田 隆将「慟哭の海峡」より
それでいてこの奈良の地はこの時局下といえども、他の地では味わうことのできない憩いの場を我々に与えてくれた。
やなせたかしの弟・柳瀬千尋はアンパンマン似?

幼い頃の柳瀬千尋さんは顔が丸く、アンパンマンにそっくりだったとやなせたかしさんは語っています。
詳しく見ていきましょう。
コンパスで書いたような丸い顔
幼い頃の柳瀬千尋さんは、「色白で目が大きかった」とやなせたかしさんは語っています。
同時に、弟の顔の形がコンパスで書いたような丸い顔だったのが印象的だったんだとか。
大人の柳瀬千尋さんは、面長の凛とした顔立ちですが、小さい頃は違ったのですね。
やなせたかしさんと言えば、「アンパンマン」の生みの親。
同じように丸い顔のアンパンマンを描いていると、やなせたかしさんは弟を思い出して胸が切なくなるのだと語っていました。
もうひとつ、アンパンマンを描き続ける中で気づいたことがある。 「兄ちゃんと一緒でなければいや」と言って、嵩のあとをくっついてきたころ、千尋はコンパスで描いたような丸い顔をしていた。アンパンマンは、弟の千尋にどこか似ているのだ。
梯 久美子. やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく (文春文庫) (pp. 190-191).
そのせいか、アンパンマンを描いていると、嵩はときどき、なつかしいような切ないような気持ちになった。
アンパンマンは柳井千尋なのか?
やなせたかしさんは、アンパンマンの誕生について「はじまりは、わからない」という詩を残しています。
この詩の中で、なぜだか分からないけれど、急にアンパンマンが生まれたのだと語られています。
一方で、
アンパンマンをかきはじめたとき
「やなせたかし全詩集 てのひらを太陽に」より
なにか不思議ななつかしさをおぼえた
どこかぼくの弟に似ている
という一節があります。
やはり、アンパンマンには弟の千尋さんのイメージがあったことも語られているのです。
今や子供達に大人気のアンパンマンには、具体的なモデルはいない。
けれど、「こんなヒーローがいてくれたらいいな・・・」という想いは、「千尋が生きてくれていたら・・・」というやなせたかしさんの深層心理の現れだったのかもしれません。
まとめ
今回は、やなせたかしさんの弟・柳瀬千尋さんのお顔写真(画像)やアンパンマンとの関わりについてご紹介しました。
弟・柳瀬千尋さんは若くして亡くなられていますが、やなせたかしさんの心の奥にずっと弟さんが生き続けていたのですね。
柳瀬千尋さんの生涯や最期についてより詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
朝ドラ「あんぱん」でも、このような兄弟愛がどのように描かれていくのか注目していきましょう。
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