対岸の家事の過去をネタバレ!詩穂と父親・中谷と母親には何があった?

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キッチンで料理をする女性
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TBSの火曜ドラマ「対岸の家事」。

主人公の村上詩穂が専業主婦になった理由、そしてエリート公務員の中谷達也が専業主婦を目の敵にする理由は、二人の辛い過去があったからです。

今後、その部分もドラマで描かれていく予定ですが、「ひと足さきにネタバレを知りたい!」という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、原作小説「対岸の家事」で描かれている、

  • 詩穂と父親の過去に何があった?
  • 中谷と母親の過去に何があった?

について詳しくご紹介していきます!

※ドラマと小説では内容が変更される可能性もありますので、参考程度にお楽しみください。

目次

【対岸の家事】詩穂と父親との関係・過去のできごと

詩穂は14歳の時に母を亡くしてから、家事全般を担う生活を強いられ、その後家出をした過去がありました。

詩穂の父親はどんな人物?

主人公の村上詩穂の父親・岡田純也は、真面目なサラリーマンでした。

負けず嫌いの仕事人間で、家事を専業主婦の妻(詩穂の母)に任せっきりにしていました。

詩穂が14歳の時に母が亡くなって以降、純也と詩穂の父子2人の生活が始まると、母が担っていた家事全般が詩穂に降りかかってきました。

父親はレトルト食品や冷凍食品を好まない性格で、詩穂は手抜きをすることができず、365日休まず家事をさせていました。

父は母がしんだ後も、自分の生活をイチミリも変えなかった。休みもくれなかった。母の葬儀の後、詩穂が冷凍のグラタンをレンジで温めて出した時、「こういうのは嫌いだな」と、父は箸もつけなかった。「外で食べてくる」と、上着を着て家を出ていった。だから詩穂は、それから冷凍のものは出さなかった。レトルトも使わなかった。三百六十五日、夕ご飯をつくった。

朱野帰子. 対岸の家事 (講談社文庫) (pp. 62-63)

詩穂の父親役は、緒方直人さんが演じます!

詩穂は家出を決意する

14歳から約4年間、1日も休まず家事をやった詩穂。

学校の勉強も十分にできなくなり、部活も辞めることになり、キラキラした青春時代がどんどん無くなっていく怖さを感じていました。

ついに詩穂は「このままこの家にいたら、自分の人生が台無しになってしまう」と危機感を持ち、高校卒業と同時に家を出る決意をします。

寮のある美容学校を進学先に決め、母親がかけてくれていた学資保険を引き落として、父親の元から自立したのです。

家を出ることは父親には告げず、高校の卒業式の日に詩穂は静かに実家を出ました。

父と二人の生活は悪い事ばかりではなかった。キラキラしているはずだった少女の時間は薄暗い家にいる間に過ぎてしまったけれど、母の遺した料理の本をめくったり、菜箸を新しいものに替えたり、家事に打ちこむ時間は嫌いではなかった。でも、ごめんね。私は家を出ます。もう帰りません。主婦のいなくなった家で、ぽっかりと空いた穴の縁で、どうか元気で生きていってください。私は私がやる家事をもっと喜んでくれる人をよそに探しに行きます。

朱野帰子. 対岸の家事 (講談社文庫) (p. 9)

詩穂が専業主婦を選んだ本当の理由

詩穂は、実家での過去の出来事から「二つのことが同時にできない」と痛感していました。

そのため、結婚したら専業主婦になり、育児を含めて家のことをじっくりやるのが自分にとって合っているのだと感じていました。

しかし、原作版では、「家を出られなくなるのが嫌で父親を捨てたのに、なぜ専業主婦を選んだのか?」と中谷に問われるシーンがあります。

そこで、自分の気持ちを再確認した詩穂は、「自分の家事の力を求めてくれる人をずっと探していた」「それが虎朗だった」と気づきます。

詩穂は、時間はかかるものの家事自体は嫌いではありませんでした。

しかし、父親との過去があった詩穂にとって、作ったご飯を毎日喜んでくれる、小さなことに感謝してくれる人がいる、そんな家庭に無意識に憧れを抱いていたのです。

夫の虎朗にはつきあう前から「主婦になりたい」と言っていた。そうしたら、とうなずいた虎朗も器用なほうではない。独り暮らししていた頃の部屋は散らかっていた。家に帰るとご飯が炊けている。おかずもお味噌汁もある。それだけで虎朗は無邪気に喜んでくれた。

朱野帰子. 対岸の家事 (講談社文庫) (pp. 12-13)

【対岸の家事】中谷と母親との関係・過去のできごと

中谷は、専業主婦の母親からひどい仕打ちを受けていた過去があり、詩穂と同じく実家とほぼ絶縁状態でした。

中谷の母親の人物像とは?

エリート公務員で育休中の中谷達也の母親も専業主婦でした。

父親は商社マンで、母親とは一回り年齢が離れており、両親は不仲。

職場結婚の末、家庭に入ることとなることとなった中谷の母親はいわゆる「教育ママ」となり、子供の人生が生き甲斐となっていきます。

中谷が3歳の頃、母親は綿密な「人生の計画書」を作り上げていました。

そこには、幼稚園受験から東大に合格、そして官僚になるまでの道筋が細やかに記されていました。

しかし、ある日、勉強に身が入らずベランダから空を見上げようとした幼い中谷に、母親は怒り、手を挙げます。

中谷の頭からは赤いものが滴りましたが、母親は助けようとせず、冷酷にも「自分で拭きなさい」と突き放したのです。

母はハンドミキサーを握ったまま、目を吊り上げていた。こう言っていた。今はママがいるけど、大人になったら誰も達ちゃんを助けてくれないんだよ。励まされている間にも、紙には赤い点がポタポタと増えていった。自分で拭きなさい、と言われ、テーブルのティッシュを取って拭いた。ふりかえると母はスポンジで何かを洗っていた。

(中略)きれいになったハンドミキサーをウィーンと鳴らし、母は三時間後にやってくるお受験仲間の主婦たちとその子供たちのためにアイスクリームをつくりはじめた。

朱野帰子. 対岸の家事 (講談社文庫) (pp. 190-191)

中谷は家出を決意する

中谷はその後も母親の期待に応え続け、ついに最後の難関である国家公務員試験を突破。

その後、実家を出て一人暮らしを始めました。

母親は「どこにも行かないで」と追いかけてきたそうですが、「早く一人で生きる力を得てここを出ていかなければ」という気持ちが中谷を奮い立たせていました。

中谷が専業主婦を嫌う理由

中谷が抱く、専業主婦の詩穂に対する嫌悪感。

それは、自分の母親の過去の姿を詩穂に投影させていたからでした。

主婦が絶滅危惧種になっていく様を中谷は冷ややかに見つめていた。あんなものいなくなったほうがいい。青筋をたててお菓子を作る暇があったら外で働いたほうがいい。一人きりで家事を強いられる生活から、女性は解放されたのだ。

朱野帰子. 対岸の家事 (講談社文庫) (p. 161)

中谷は、過去の記憶をあまり覚えてはいませんでした。

しかし、自分に娘ができ、親という立場になってからは当時の記憶が鮮明に蘇り始め、頭痛や吐き気を催すほどのトラウマとなっていきます。

さらに、母親にされたように自分の娘にも、「甘えるな」「大人になった誰も助けてくれない」と厳しく躾けてしまっていることを詩穂に指摘され、中谷は深くショックを受けるのです。

同時に、「主婦業」というものがいかに孤独で大変な作業なのかを痛感し、この世の主婦たちや自分の母親を見下していた自分の考えを改め始めます。

最初はギスギスしていた中谷と詩穂。

しかし、「実家に頼れない」という共通点がきっかけで少しずつ歩み寄り、次第に家族ぐるみで助け合うようになっていく…という流れが原作のストーリーです。

まとめ

今回は、「対岸の家事」で明かされる主人公詩穂やエリート公務員の中谷の過去のネタバレについて詳しく掘り下げました。

まとめると、

  • 詩穂は主婦の母親が亡くなって以来、家事全般を担ったことで大切なものを犠牲にし、家出をした過去がある
  • 中谷は主婦の母親から手を挙げられた経験がトラウマとして残っており、同じく家出をした過去がある

ドラマではどこまで描かれるのかは分かりませんが、概ね似たようなストーリーとなるのではないでしょうか。

原作小説は、それぞれの立場からセリフや情景が描かれており、あっという間に読んでしまえる面白さです!


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