今田美桜さん主演のNHK朝ドラ「あんぱん」。
第4週では、ヒロインの朝田のぶが受験する「高智女子師範学校」の外観が映し出されました。
レトロなゴシック様式ですが、朝ドラを長年見てきた方なら「あれ?どこかで見たような…」とピンときたかもしれません。
実は、のぶが通うことになる女子師範学校のロケ地は、過去の朝ドラに何度も登場しているんです!
そこで今回は、
- のぶの学校のロケ地・撮影場所はどこ?
- 撮影に使われた過去の朝ドラとは?
について詳しくご紹介していきます。
【あんぱん】のぶが通う女子師範学校のロケ地・撮影場所はどこ?
朝ドラ「あんぱん」では、実家のある御免与町から汽車で受験に行っていました。
そのため、朝田のぶが受験した「高智女子師範学校」は「高知市内」という設定です。
実際に、この女子師範学校モデルになっていると思われる「高知県女子師範学校」は、高知市潮江 (現・塩屋崎町) にありました。
しかし、実際のロケ地・撮影は、茨城県にある「旧土浦中学校本館」で行われたことが判明しています。
一体どのような建物なのか、詳しく見ていきましょう。
西欧のゴシック式建築
明治37年(1904年)に建てられた旧制土浦中学校(現在の土浦第一高等学校)の本館は、国の重要文化財に指定されています。
旧制中学校の建物としては、全国で初めての国指定です。
この建物は、ゴシック様式を基にしたデザインで、左右対称の凹字型の平面をもち、外壁はドイツ下見板という洋風の板張りで仕上げられています。
茨城・土浦にある、旧県立土浦中学校本館。国指定重要文化財に指定されています。
— 旅とクラフト (@AMFFCRAFTWORK) January 10, 2025
昨年夏ごろの公開日に訪問しました。
1904年竣工の、ゴシック様式を基調にした木造建ての校舎になります。
設計は駒杵勤治さん。東京帝国大学であの辰野金吾さんから建築を学んだそうです。… pic.twitter.com/hAuK8Xkm9o
設計を手がけたのは、辰野金吾の弟子であり、当時26歳だった茨城県の技師・駒杵勤治(こまぎね きんじ)。
彼の手がけた建物は、県内ではほかに「旧太田中学校の講堂」や「水戸商業学校旧本館の玄関」などが残っています。
【水戸商業高校旧本館】
— 井和田トビ (@yamaishipenguin) September 23, 2022
明治37年(1904)竣工の国登録有形文化財。玄関部分のみが保存されている。ベルサイユ宮殿を模したと伝わる。設計は県営繕技師の駒杵勤治。同年に手がけた土浦と太田の校舎は国重文なので、これも完全に残っていたら……
#近代建築 #茨城県水戸市 pic.twitter.com/WeegGuQd82
明治時代の近代化政策の一環として、教育施設にも西洋風のデザインが取り入れられ始めた時代。
この本館は、そうした流れの中で、洋風建築の設計と日本の伝統的な木造技術とが融合して生まれた、匠の技の結晶と言われています。
平成30年(2018年)3月には、耐震補強工事が完了し、現在も大切に保存されています。
ロケ地の教室や内装
旧制土浦中学校(現在の土浦第一高等学校)の本館の中は、このようになっています。
当時のままレトロな雰囲気が漂っており、思わず写真を撮りたくなる可愛さですね。
【あんぱん】女子師範学校のロケ地・撮影場所は見学できる?
あんぱんの女子師範学校のロケ地である「旧土浦中学校本館」は、茨城県立土浦第一高等学校の敷地内にあります。
【住所】茨城県土浦市真鍋4丁目4−2
しかし、いつでも気軽に見に行けるわけではなく、年に何度か設けられる一般公開の日(毎月第二土曜日)に合わせて見に行く必要があります。
一般公開に関しては、土浦第一高等学校同窓会のホームページにて告知されています。
令和7年(2025年)の一般公開の日は以下のとおりです。
- 2025年3月8日(土)10:00〜15:00
- 2025年4月12日(土)10:00〜15:00
- 2025年5月10日(土)10:00〜15:00
- 2025年10月11日(土)10:00〜15:00
- 2025年11月8日(土)10:00〜15:00
- 2025年12月13日(土)10:00〜15:00
予定が変更される可能性もありますので、お出かけの際には、土浦第一高等学校同窓会のホームページをご確認ください。
また、土浦第一高校では「一高祭」という学校祭が毎年6月に行われており、その際にも旧土浦中学校本館の特別公開が行われるようです。
2025年は、5月31日(土)・6月1日(日)の日程で開催予定とのこと。
詳しくは、運営委員会の公式エックスをチェックされてみてください。
一高祭では旧本館を開放します!
— 土浦一高 一高祭運営委員会【公式】 (@ichikosai_unnei) June 3, 2016
改修工事に入る前最後の一般公開となります。
美術部展、華道部展、アカンサスの展示、授業企画を行います。
是非お越しください!
一高祭まで…あと1日#一高祭スライドショー pic.twitter.com/czUiQ7QFPx
朝ドラ「あんぱん」の影響で大盛況になるかもしれませんね!
旧土浦中学校本館の概要・アクセス
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 茨城県土浦市真鍋4丁目4-2 (土浦第一高校敷地内) |
入館料 | 無料 |
アクセス | JR常磐線「土浦駅」から関東鉄道バス石岡方面行きで約10分、「土浦一高前」下車徒歩すぐ |
車でのアクセス | 常磐自動車道「土浦北IC」から約5分 |
駐車場 | 土浦第一高等学校へ要問合せ |
問合せ先 | 土浦第一高等学校 TEL:029-822-0137 |
一般公開日 | 土浦第一高等学校同窓会のホームページ |
あんぱんロケ地「旧土浦中学校本館」が使われた過去の朝ドラ
朝ドラ「おひさま」の女学校として
2011年の朝ドラ「おひさま」で、ヒロイン・陽子(井上真央さん)の通う安曇野高等女学校のロケ地・撮影地として使用されました。


おひさま 〈第84作〉
NHKアーカイブス
放送年度:2011年度
1932(昭和7)年、病弱な母と長野・安曇野に移住した須藤陽子。翌年、母は亡くなるが母が願ったとおり「太陽のような女の子」に育つ。女学校で出会った親友たちとの友情、見合いでの結婚、出産。戦争をはさむ激動の時代に、人々をおひさまのような明るい希望で照らす、陽子のさわやかな一代記を描いた。作:岡田惠和。音楽:渡辺俊幸。語り:若尾文子。出演:井上真央、原田知世、寺脇康文、高良健吾、田中圭、永山絢斗ほか。
この学校を卒業した陽子は、国民学校の教師となりますので、朝ドラ「あんぱん」の朝田のぶと重なる部分がありますね!
朝ドラ「エール」の音楽学校として
2020年の朝ドラ「エール」で、ヒロイン・音(二階堂ふみ)が通う東京帝国学校のロケ地・撮影地としても使用されました。
#エール【土浦第一高等学校 旧本館】音が入学を希望している東京帝国音楽学校(帝音)。ロケ地は土浦市にある土浦第一高等学校の旧本館でした。1897年に設立された旧制茨城尋常中学土浦分校を前身とし、この旧本館は1976年に旧制中学校の建造物として 全国で初めて国の重要文化財に指定されています。 pic.twitter.com/JAGYPX3rPf
— ひぞっこ (@musicapiccolino) May 3, 2020
エール 〈第102作〉
NHKアーカイブス
放送年度:2020年度
明治末期、福島に生まれた古山裕一は、独学で作曲の才能を開花させる。青年になり、音楽に導かれるように関内音と結婚。不遇の時代を乗り越えヒット曲を生み出していく。時代は戦争へと突入し、多くの戦時歌謡を作曲する。戦後は、傷ついた人々の心を音楽の力で勇気づけようと、新しい時代の音楽を奏でていく。原案:林宏司。音楽:瀬川英史。語り:津田健次郎。出演:窪田正孝、二階堂ふみ、山崎育三郎、中村蒼、森山直太朗ほか。
このように、朝ドラのヒロイン御用達のロケ地ということで、「なんだか見たことあるな」と思った方も多いかもしれません!
まとめ
今回は、朝ドラ「あんぱん」でヒロインのぶが受験する「女子師範学校」のロケ地・撮影場所について詳しくご紹介しました。
高知の学校の設定ではありますが、実際のロケ地は、「茨城県土浦市」にある「旧土浦中学校本館」でした。
一般公開・特別公開がされている日であれば内部も見学可能ですので、ぜひ聖地巡礼として訪れてみてください。
女子師範学校の黒井先生のモデルについては、こちらの記事で解説しています。

のぶのモデル・小松暢さんの経歴について、こちらの記事でまとめました。

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