やなせたかし夫婦をモデルにした2025年の朝ドラ「あんぱん」。
この記事では、第4週「なにをして生きるのか」のあらすじとネタバレをお届けします。
第4週の内容をざっくり言うと
- のぶは女子師範学校合格のため、羽多子の勧めで嵩に家庭教師をお願いすることにする
- 嵩はのぶの家庭教師を引き受けたものの、結局千尋の手を借りることになり情けなくなる
- 嵩は「千尋は自分のために医者の道を譲ったのではないか」と察し、千尋に対する劣等感や苛立ちが強くなる
- 一方の千尋は、登美子の言いなりになっている嵩がもどかしく、ついに兄弟喧嘩が起きてしまう
- 千尋が本気で弁護士になりたいことを知った嵩は、登美子の希望を叶えるために高知第一高等学校合格に向けて勉強を始める
- のぶは師範学校に合格するも、嵩は高知第一高等学校に落ちてしまう
- 登美子は柳井家での居場所がなくなり「もう好きにしなさい」と嵩に言って町を出ていく
- 嵩は生きる意味を見失い、失踪騒動を起こす
それでは、あんぱん第4週の詳しい内容を見ていきましょう!
【あんぱん第4週】あらすじとネタバレ吹き出し
新たな目標に向かって
のぶは女子師範学校を目指して猛勉強を始めました。
しかし、今まで避けてきた勉強がすぐに結果に結びつくはずもなく、通知簿の成績は芳しくありませんでした。
家族に通知簿を見せると、羽多子がアイデアを出しました。

そうや。嵩くんに勉強教えてもろうたら?



えっ、嵩に? 小学校の時は首席やったけんど…



高知第一高等学校受けるがやってね。
ゆくゆくは寛先生の後を継ぐって嵩くんのお母さん言いよったで。



たまるかー! 嵩、お医者さん目指しゆうがや……
のぶは成績を伸ばすためなら何でも試す心意気で、嵩に家庭教師を頼むことにしました。
柳井家の亀裂
柳井家では、嵩の通知簿を巡って緊張が高まっていました。
千代子が嵩の通知簿を見て尋ねました。



嵩さん、この「丁(てい)」って何ですか?



……数学は苦手で
【参考】「甲乙丙丁」の意味と基準
・甲:最も優れた成績(現在の「5」や「A」に相当)
・乙:優れているが甲には及ばない成績(「4」や「B」に相当)
・丙:平均的、または可もなく不可もない成績(「3」や「C」に相当)
・丁:不合格、または著しく劣る成績(「2」や「D」に相当)
登美子はすかさず言いました。



嵩は、今はまだ本気で勉強していないだけです。
私が環境を整えますので



あら。まるで今までの環境が悪かったみたいな物言いですねえ
登美子と千代子の険悪な雰囲気の中、嵩は黙って俯くだけでした。
そんな嵩の元に、のぶから家庭教師の依頼が来ました。
羽多子に頭を下げられ断り切れなかった嵩でしたが、自信はまったくありませんでした。
初日、数学の問題に二人で苦戦し、結局、千尋の助けを借りることに。
石にかじりついても
のぶが居間で勉強していると、釜次が冗談めかして言いました。



のぶ、そんなに根つめな。
女子師範学校らあ行かんでも、いざとなったら婿をとって石屋を継げばえい。



豪、どうな? のぶと石屋やらんか。
困り果てる豪を見て、のぶとメイコは笑いましたが、蘭子だけは釜次を睨みつけました。
豪は真剣な表情で言いました。



親方…すいません。
それはできません……
わしは小学校もろくに行っちゃあしません。
のぶさんが目指す小学校の先生は、難しい学校へ入れんと、なれんがですろう?



のぶさん、石にかじりついてでも頑張ってください。
聞こえてしまった真実
嵩は数学と格闘する夜、廊下で偶然、寛と千尋の会話を耳にしました。



千尋…おまん、ひょっとして、嵩のために医者になるがをやめたがやないか?
嵩が後継ぎになれば、あいつがこの家で長男として大事にされる。そう思うたがやないか?



父さん、どういて……



近頃の千尋を見よったら、わしはどういてもそんな気がするがよ。
会話の内容に大きなショックを受けた嵩は、気配を消して部屋へ戻りました。
心の叫び
翌日、嵩は線路にしゃがみ込んでいました。



危ねえよ。ひかれるぞ。
偶然通りかかった屋村に腕をつかまれ、汽車に轢かれる危険から救われました。
汽車の轟音と共に、嵩は叫びました。



こんな情けねえ俺!!!
もうやだやだ、やだよ!ワアーッ!
兄弟の思い出
のぶが約束の時間に柳井家を訪れると、嵩の代わりに千尋が出迎えました。
待ちくたびれた彼女は嵩の部屋のスケッチブックを見始め、幼い頃の兄弟の絵を見つけました。



千尋くん、いっつも嵩のあと追いかけよったでね······
お兄ちゃんのこと大好きながやって思いよった
千尋は心を開き、幼い頃の思い出を語ります。



わし、そんなえい弟やないがです……
兄貴がおらんなるのが、怖かったがよ。
小さい時、この家に一人で預けられたき。
あの時も、兄貴があの人とおらんなってしまうがやないろうかと思うて….



兄貴と川を泳いで渡った時や。
わしが途中で力尽きて溺れそうになっちょったら、兄貴が頑張れ、頑張れっゆうて、一生懸命励ましてくれました。



気も弱うて、いっつも兄貴の後ろに隠れちょったけんど……
あの時から強うなった気がするがよ…… 兄貴のおかげや。
物部川の記憶
嵩も物部川の河原で屋村と同じ思い出を振り返っていました。



子どもの頃、弟と一緒にそこの向こう岸から泳いだことがあるんです。
あの時は二人ですごいことを成し遂げたと思ったけど



この距離で? すぐじゃねえか
川の大きさも、千尋との関係も、すべてあの頃とは変わってしまったと感じる嵩。



「千尋は僕が守ってやんなきゃ」って、ずっと思ってたけど、立場が逆転しちゃったんだな。



シーソーみたいに……。
兄弟喧嘩
嵩が家に戻ると、怒った千尋が待ち構えていました。



兄貴! どこ行っちょったがな!
のぶさん、ずっと待っちょったがぞ!



また優等生ぶりやがって。
お前のそういうとこが気に入らないんだよ!
病院継ぎたきゃ継げばいいだろ! 俺に譲ったりするな!



わしはわしの生きたい道を行くだけや!
兄貴はなんでお袋の言いなりになるがな?
あの人は息子を医者にして、自分の居場所を作りたいだけやろうが。
兄貴はあの人に利用されゆうがよ….
兄貴だって本当は分かっちゅうはずや!



黙れ!!!
二人の言い争いはエスカレートし、ついに嵩は千尋に手を出してしまいます。



ご立派だよ、お前は!
兄弟でも月とスッポンだもんな!



胸の中では、こんな兄貴いなくなればいいと思ってんだろ!!!
その時、のぶの手が嵩の頬にバチン!と当たりました。



あんたは千尋くんの気持ち、ひとっちゃあ知らん…
誰が一番近くであんたのこと、ずっと見てきたと思うちゅうがで。
あんたなんか、たっすいがーのスッポンじゃ!!!
千尋の本心



この際、二人にははっきり言うちょく。
この医院は、わし一代でえい。 跡取りはいらん。
それから、千尋は嵩に気兼ねして医者になるがをやめたわけやない
寛は診察室で二人の傷の手当てをしながら、真実を明かしました。
千尋は嵩に気を使ったのではなく、本心から法学の道に進みたいと思っていたのです。
さらに千尋は告白しました。



わしがなんで医者になりとうないか、まだ言うてないことがあるがです… わし、ちが苦手ながです。
ちを見たら、ゾワッとして、ヒュ~ッとちの気が引くがやき。



それじゃ、医者は無理やねや。
で、嵩はどうするがな



…..まだ、なりたいものが分からないんです。
ひとまず高知第一高等学校に受かるのを目標にしようかなって



…..あの人の喜ぶ顔、見たくて。
寛は二人にアドバイスしました。



何のためにこの世に生まれて、何をしながら生きるがか……
見つかるまで、もがけ。
嵩は覚悟を決め、高知第一高等学校の受験勉強を本気で始めます。
受験の日
受験の朝、嵩は受験票を忘れたことに気づきました。
のぶは嵩の受験票を持って全力で走り、間一髪で届けました。



そんな大事なもん忘れるらあて、嵩のぼけ!!



……ありがとう、のぶちゃん….
のぶ自身も、女子師範学校の試験に遅刻寸前で滑り込みました。
明暗分かれる結果
合格発表の日。



おかげさまで合格した。



おめでとうございます!
のぶは女子師範学校に合格。
しかし、嵩は高知第一高等学校に不合格でした。
嵩はのぶに申し訳なさそうに告げました。



のぶちゃん、おめでとう。
……ダメだったよ。
走って受験票届けてくれたのにごめん。
登美子の去り際
嵩のためにあんぱんを持って柳井家を訪れたのぶ。
登美子が厳しい言葉を浴びせます。



あなた、嵩に勉強を教わりに来てたわよね。
そのあなたが受かって、嵩は落ちたのよ。
嵩はあなたのせいで勉強に集中できなかったんじゃないかしら



のぶさんに八つ当たりするらあて最低や



兄貴が高知第一高等学校行こうと誰のために頑張っちょったと思うちゅうがな….
あんたのためやろう。
母親やったら、 どういて理解しちゃろうとせんがな!
翌朝、登美子は荷物を持って駅へ向かっていました。
嵩は息を切らして追いかけます。



僕のせいだね…… ゆうべ、伯父さんに頼んだんだ。
一年、浪人させてくれって。
伯父さん、承諾してくれた。
今度こそ、高知第一高等学校に受かってみせる



一年なんて待てないわ。
ただでさえ、あの家で肩身が狭かったのに……



……もういいわ。 好きにしなさい。
ごきげんよう… さようなら。
嵩の心に、母を引き止める言葉はもう見つかりませんでした。
何のために生まれてきたのか
嵩は、物部川の河原で屋村に打ち明けました。



ヤムさん、僕、何のために生まれてきたんだろう。
受験で取り寄せた戸籍見た時、思った。
俺は独りぼっちなんだなって….



独りぼっちも気楽でいいじゃねえか



伯父さんに言われたんだ。
何のために生まれて、何をして生きるのか。
何がお前の幸せで、何をして喜ぶのか、見つかるまでもがけって…



どうせ一回こっきりの人生だ。
自分のために生きろ
新たな希望
のぶは同級生のうさ子も女子師範学校に合格したことを知り、二人で喜び合いました。
その夜、嵩が帰ってこないことを心配した千尋がパン屋にやって来ました。
のぶ、屋村、千尋、寛は町中を必死に捜し回りました。



あそこかもしれない….線路だ
夜明け近くなり、線路の上で眠っている嵩を発見しました。
のぶは涙ながらに叫びました。



どればあ….どれば心配したと思うちゅうがで!



僕は結局、母さん一人、笑顔にすることができんかった。
僕は一体、何のために生きてるんだろう……
そんなこと考えてたら……
寛は嵩を諭しました。



泣いても笑うても、陽はまた昇る



嵩、絶望の隣はねや…希望じゃ
空の雲間から差し込む朝日に、嵩の目は熱くなりました。
「絶望の隣は希望」という言葉は、やなせたかし先生のもの。「絶望のとなり」にという詩は代表作の1つです。同名の著書も出版されています。
〜あんぱん第4週終わり〜
やなせたかしの受験失敗や浪人についての史実はこちらの記事で詳しくどうぞ。


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