あんぱんネタバレ第1週「人間なんてさみしいね」あらすじを吹き出し形式で!

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あんぱん第1週のあらすじとネタバレ
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アンパンマンの生みの親・やなせたかし夫婦をモデルにした朝ドラ「あんぱん」。

この記事では、その第1週のあらすじとネタバレを吹き出し形式(会話形式)でご紹介します。

あんぱん第1週の放送日

(※クリックして読みたい回へ飛ぶことができます)

この記事はこんな方におすすめ!

  • 1週間の内容をじっくり読みたい人
  • 今後のネタバレを先に知りたい人
  • 朝ドラを見逃した人

※この記事は朝ドラ「あんぱん」のネタバレを含みます。また、実際の放送内容とは多少異なることがあります。

目次

【あんぱん第1週】1回のあらすじ・ネタバレ吹き出し

「あんぱん」の第1週のタイトルは「人間なんてさみしいね」です。

あんぱん第1週「1回」のあらすじ・ネタバレを吹き出し形式でお届けします。

アンパンマンの生みの親

~ナレーション~

”正義は、簡単にひっくり返ってしまうことがある”

”じゃあ、決してひっくり返らない正義って何だろう”

”それは、お腹をすかせた人に、一切れのパンを届けてあげることだ・・・”

1972年。

朝方のアトリエ。

暗い部屋の中で一人、熱心に絵を書いている晩年の柳井タカシがいました。

そこへ、妻ののぶがやってきて、勢いよくカーテンを明けます。

のぶ(主人公)

タカシさん、また描きゆう。
ちっとも強そうじゃなくてカッコ悪いけど、そこがいい。

タカシは初期のアンパンマンを描いています。

柳井嵩(やなせたかし)

のぶちゃん・・・。

のぶ(主人公)

お腹すいた!

のぶ(主人公)

朝ご飯たべよう!

のぶの弾けるような明るい笑顔に、つられて笑顔になるタカシ。

国民的キャラクター「アンパンマン」がこの世に生まれた頃の二人の姿でした。

二人の出会い

1927年(昭和2年)の秋。

高知県の御免与(ごめんよ)町。

商店街を全速力で走っている一人の少女がいました。

のぶ(幼少期)

はぁ、はぁ・・!

8歳の「朝田のぶ」です。

商店街の人

わっ危ない!
ハチキンおのぶや!

「ハチキン」とは、土佐の言葉で「男勝りの女の子」という意味。

のぶの足の速さは町では有名でした。

のぶが全速力で向かっていた先。

それは、「御免与駅」です。

のぶが駅舎に着く頃、ちょうど蒸気機関車が到着しました。

そこには、ある親子の姿も・・・。

登美子(たかしの母)

たかし、やっと着いたわね。

艶やかな着物姿の「柳井登美子(やない・とみこ)」。

8歳の少年「柳井嵩(やない・たかし)」を連れて改札口から出てきました。

そこへ、のぶが真正面からぶつかってきます。

柳井崇(幼少期)

いたっ・・・・!

思わず尻餅をつくたかし。

持っていた画材箱から絵の具が地面に散らばってしまいました。

のぶ(幼少期)

おい、気ぃつけや!

のぶ(幼少期)

あ、お父ちゃんー!

のぶは、たかしに謝る様子もなく、大好きな人の元へ駆け寄っていきます。

のぶが会いたかった人。

それは、父親の「朝田結太郎(あさだゆいたろう)」でした。

結太郎(のぶの父)

のぶ、元気にしちょったか!

笑顔で再会を果たす親子のそばで、たかしは絵の具や筆を拾い集めています。

そこへ、一緒に筆を拾ってくれる男性が現れました。

屋村草吉(パン職人)

あんのチビ・・・
あっちからぶつかってきたのになぁ?

たかしに声をかけたのは、列車から降りてきた屋村草吉(やむらそうきち)です。

柳井崇(幼少期)

す、すみません・・・

屋村に小さく頭を下げるたかし。

そのそばで、のぶは父の結太郎に甘え、腕につかまり駅舎を出ていきます。

そんな父と娘の姿を複雑な表情で見つめるたかし。

御免与町のモデル
あんぱんの中で「ごめんよ」と呼ばれている町は、高知県南国市の「御免(現:後免)」という町がモデルと思われます。
「後免町商店街」には、やなせたかしの伯父・柳瀬寛の病院があり、幼い頃のやなせたかしが育った街として知られています。
2009年には「やなせたかしロード」が整備され、アンパンマンなどの石像が7体を設置。
先生ゆかりのスポットの1つとなっています。

帰ってきた父ちゃん

朝田石材店。

御免与の商店街にある店が、のぶの家です。

奥の作業場では、祖父の「朝田釜次(あさだ・かまじ)」が弟子が汗だくで働いていました。

のぶ(幼少期)

釜じい!
お父ちゃんもんてきたで!

もんた・もんてきた:土佐弁で「帰る」「帰ってくる」の意味

釜次(のぶの祖父)

・・・そりゃ、行ったらもんて来るじゃろ。

そっけない釜次。

店の奥からは、「朝田羽多子(あさだはたこ)」と「朝田くら」が出てきました。

のぶの母と祖母です。

くら(のぶの祖母)

結太郎、もんてかえ。

羽多子(のぶの母)

出張、ご苦労さまでございました。

のぶの父・結太郎は商社勤務で、国内外を飛び回っていました。

結太郎(のぶの父)

蘭子とメイコもええ子にしちょったか?

のぶは三人姉妹の長女。

下には6歳の蘭子(らんこ)と4歳のメイコという2人の妹がいます。

結太郎は、二人の頭を撫で、菓子の包みを渡しました。

結太郎(のぶの父)

大阪土産やき。

のぶ(幼少期)

たまるかー!
わーい、わーい!

たまるか:土佐弁で「まぁ!」「わぁ!」などの驚いた時に使われる。

先にのぶが叫ぶと、妹たちもそれに続き、店の中は一気に賑やかになりました。

石材店を営む朝田家は、釜次、くら、結太郎、羽多子、のぶ、蘭子、メイコの7人家族です。

朝田家とアンパンマンのキャラクター
のぶのモデルの小松暢さんは、一般人のため周辺人物などの情報が少ないと言われています。
そのため、朝田家の家族は、その名前からアンパンマンのキャラクターを連想させるものが多くなっています。
【祖父】釜次:かまめしどん?
【祖母】くら:いくらどんちゃん?
【父】結太郎:おむすびまん?(前作「おむすび」とも関連?)
【母】羽多子:バタコさん?
【妹】蘭子:コチョウランさん?
【妹】メイコ:メーコ?

柳井医院

柳井医院。

同じ商店街のはずれにある町医者で、「柳井寛(やないひろし)」が院長をしています。

往診から帰った寛に女中のしんが話しかけます。

しん(柳井家の女中)

先生、おかえりなさいませ。

寛(たかしの伯父)

おう。

しん(柳井家の女中)

東京からお客様がお着きなられました。

柳井家の居間。

東京からの客とは、柳井登美子とたかしの親子でした。

ここは、たかしの伯父と伯母の家だったのです。

寛(たかしの伯父)

たかしくん。
はるばるよう来たね!

柳井崇(幼少期)

・・・・。

たかしは、緊張してうまく話すことができません。

登美子(たかしの母)

寛おじさまよ。
お父さんのお葬式で会ったでしょう?

たかしは小さく頷きますが、登美子の横で縮こまっています。

寛(たかしの伯父)

たかしくん。
自分の家やと思うて、羽伸ばしたらえい。

できるだけ優しく声をかける寛。

登美子(たかしの母)

他に頼れる人がおらず・・・
親子でお世話になります。

大黒柱である夫を亡くした親子は、親戚を頼って高知に来たのでした。

4人が居間で話をしていると、5歳くらいの男の子が顔を覗かせました。

柳井崇(幼少期)

千尋・・・

今まで無口だったたかしも、その姿を見て思わず名前を口にします。

千尋を見た登美子もハッとした表情になります。

千代子(たかしの伯母)

千尋ちゃん。
おば様とたかしさんにご挨拶しましょうね?

千尋

はい、お母さん。

千尋

おばさま、こんにちは!

千尋は、登美子とたかしに向かって丁寧にお辞儀をします。

千尋

お父さん、ご本読んで!

寛に無邪気に甘える千尋。

その姿を見て、たかしは呆然としてしまいます。

柳井崇(幼少期)

千尋、僕のこと忘れちゃったんだね。
母さんのことも。

登美子(たかしの母)

小さい時にここに来たんだから、東京のうちのことなんて覚えてないわよ・・・。

たかしはその夜、なかなか寝付くことができませんでした。

柳井医院のモデルや現在についてはこちらの記事で紹介しています。

東京からの転校生

次の日の朝。

御免与尋常小学校の2年1組の教室。

ガヤガヤとしている中には、のぶの姿もあります。

そこへ担任の伊達が、たかしを連れて教室に入ってきました。

伊達先生(小学校の担任)

転校生を紹介する。

伊達先生(小学校の担任)

柳井嵩(やないたかし)くんや。

都会風のハイカラな装いをしているたかしは、明らかにクラスで浮いています。

伊達先生(小学校の担任)

高知で生まれて、お父さんの仕事の都合で東京行って向こうで育ったがや。

伊達先生(小学校の担任)

んで、今度また、おうちの都合でこっちに・・・

のぶ(幼少期)

たまるか!!!

先生が話し終わる前に、のぶがたかしを見て大声で叫びます。

その声にハッとしたたかしは、見覚えのある顔に驚きます。

伊達先生(小学校の担任)

ん?おまんら、知り合いか?

伊達先生(小学校の担任)

柳井くん、一言挨拶せえ。

柳井崇(幼少期)

・・・はじめまして。

柳井崇(幼少期)

よろしくお願いします。

小さな声で挨拶をするたかし。

早速、クラスの中が騒ぎ始めます。

岩男(同級生)

ははは!
”ハジメマシテ”やき?

ゲラゲラと笑い始めたのは、ガキ大将の岩男(いわお)です。

柳井崇(幼少期)

・・・・。

たかしは、緊張して言葉が出てきません。

そんな中、のぶは鋭い目つきで岩男たちを睨んでいました。

のぶ(幼少期)

(あいつら・・・)

やなせたかしの生まれと育ち
史実では、1919年に母の故郷である高知(香美市)で生誕。
その後、東京→高知(香美市)→高知(高知市)→高知(南国市)という少年時代を送っています。新聞記者をしていた父の都合で東京で暮らし、やなせたかしが4歳の時に、父が中国へ単身赴任するのと同時に、一家は高知県に戻りました。5歳で父が亡くなると、母や祖母とともに高知市へ移住。その2年後、母が再婚するのを機に、7歳の時に高知県南国市(御免町)にある伯父の家に預けられ、高校卒業までの約10年間を南国市で過ごしました。
本人はルーツである香美市への思い入れが強く、香美市には「やなせたかし記念館」、旧柳瀬家(父の実家)の跡地は「やなせたかし朴ノ木(ほおのき)公園などが整備されています。

下駄の救世主

昼休み。

たかしは一人で外に出て、木陰の下で弁当を広げました。

柳井崇(幼少期)

ふぅ・・・。

転校初日の半分が終わり、ホッとしたのも束の間。

岩男たちが現れ、たかしを取り囲みます。

岩男(同級生)

なんな、この弁当は?
見たこともないもんがようけ入ちゅう!

康太がたかしの弁当を奪い、おかずを手づかみで横取りし始めました。

康太(同級生)

うめえ!うめえ!

岩男(同級生)

東京もんはこんなもん食いゆうがか!
生意気やき。

そこで、岩男が大声を上げます。

岩男(同級生)

いってぇ!!
誰や!

岩男の背中に、下駄が飛んできたのです。

振り返ると、そこには裸足ののぶが立っていました。

のぶ(幼少期)

岩男とコン太!
おまんら寄ってたかって!

のぶ(幼少期)

ひきょうもんは許さん!

のぶは下駄を持つ手を振り上げ、岩男たちをおいかけ回します。

岩男(同級生)

わあ〜逃げろ逃げろ。

康太(同級生)

ハチキンのぶ〜!

岩男たちはのぶをからかいながら弁当を置いて、去っていきました。

突然現れた、下駄の救世主。

たかしは、岩男たちがいなくなってホッとしています。

柳井崇(幼少期)

・・・あの、ありがとう。

柳井崇(幼少期)

君って、本当はいい人なんですね。

駅でぶつかってきた時の最初の印象が変わったたかし。

しかし、のぶは怒りがおさまりません。

のぶ(幼少期)

・・・キミ?
イイヒト?

のぶ(幼少期)

おまん、それでも男かえ!

のぶは、岩男たちに言われっぱなし、やられっぱなしのたかしが見ていられなかったのでした。

のぶ(幼少期)

おまんみたいなヘナチョコ・・・
しゃんしゃん東京にいね!

のぶは下駄を両手に走り去っていきました。

しゃんしゃん東京にいね:土佐弁で「さっさと東京に帰れ」の意味。

おじさんとの再会

物部川(ものべがわ)の河原。

たかしは一人で座り、しょんぼりしていました。

柳井崇(幼少期)

僕だって、こんな所に来たくなかった・・・
お父さん・・・。

父を思いながら、家族四人が描かれたスケッチブックを眺めるたかし。

屋村草吉(パン職人)

お?また会ったな!

駅で親切にしてくれた、知らないおじさんです。

屋村草吉(パン職人)

坊主、腹減ってないか?

柳井崇(幼少期)

え?

屋村草吉(パン職人)

よし、ついて来い。
うまいもん食わしてやる。

なぜお腹が空いていることを見抜かれたのか疑問に思いつつ、たかしは屋村のあとについていきました。

転校生のうわさ

朝田石材店。

のぶは、母の羽多子、祖母のくらと話をしていました。

羽多子(のぶの母)

寛先生のとこに、男の子が来たがやって?

のぶ(幼少期)

ああ、あの転校生のこと?

羽多子(のぶの母)

その子のお父さん・・・
病気で急に亡くなったがやと。

くら(のぶの祖母)

お母さんと2人きりになってしもうて、 寛先生を頼ってきたがやって。

羽多子の話を聞いたのぶ。

転校生にそんな事情があったとは知りませんでした。

のぶ(幼少期)

あ・・・うち、どうしよう。

のぶ(幼少期)

あのヘナチョコに、ひどいこと言うてしもた・・・。

「さっさと東京に帰れ」と言ってしまった数時間前の自分を思い出すのぶ。

のぶ(幼少期)

お父ちゃんにもう会えんらあて・・・
どんな気持ちながやろう・・・。

自分が結太郎と会えなくなることを想像するだけで、泣きそうになりました。

柳井医院にやってきて、門の扉から中を覗くのぶ。

おいしそうな香り

のぶがしょんぼりしながら一人で歩いていると、うどん店の前に人だかりができています。

人をかき分けると、店の前にたかしの姿がありました。

のぶ(幼少期)

あ・・・あ、あの・・・。

屋村草吉(パン職人)

さ、焼けたぞ〜!食え。

のぶが話しかけようとした瞬間、カゴいっぱいに丸いパンが積み上げられました。

良い香りが食堂を満たし、人々からも歓声が上がります。

柳井崇(幼少期)

いただきます!

焼きたてのパンを口いっぱいに頬張るたかし。

のぶ(幼少期)

うわぁ〜!

のぶは、あんなに美味しそうなものを見るの初めてでした。

〜あんぱん第1回終わり〜

のぶの実家「朝田石材店」のモデルについては、こちらの記事で解説しています。

【あんぱん第1週】2回のあらすじ・ネタバレ吹き出し

あんぱん第1週「2回」のあらすじ・ネタバレを吹き出し形式でお届けします。

あんぱんとの出会い

パンの焼ける香りが漂う商店街。

釜次(のぶの祖父)

おい、開けてくれ、開けてくれ。

騒ぎを聞きつけて、釜次、蘭子、メイコも人をかき分けてやってきました。

屋村草吉(パン職人)

お前たちの分もあるぞ〜!

のぶ、蘭子、メイコの三姉妹も手を伸ばし、焼きたてのパンをいただきます。

のぶ(幼少期)

たまるか!!
おいしい!

あまりのおいしさに、のぶは思わず大声で叫んでしまいました。

その様子を見ていた釜次も思わず手を伸ばします。

釜次(のぶの祖父)

おい。
わしにもくれ!

屋村草吉(パン職人)

おっと!
大人はお代を頂戴しますよ。

パンの載ったカゴを取り上げる屋村。

ニタリと笑い、人差し指を立てて釜次に見せます。

釜次(のぶの祖父)

1銭か。
あ〜はいはい、よしよし。

屋村草吉(パン職人)

おいおい、冗談じゃない。
10銭だ。

釜次(のぶの祖父)

じゅ、十銭!?
ま、まけろ・・・!

商店街の人

まけろ、まけろ!

商店街の人たちも一斉に騒ぎ始めます。

屋村草吉(パン職人)

あ〜あ〜ケチくさい。
これだから田舎モンはヤなんですよ。

釜次(のぶの祖父)

あ?
田舎もん扱いしよって!

釜次が草吉につかみかかろうとする背後から、女性が声をかけます。

千代子(たかしの伯母)

誰も買わんがやったら、私が全部いただきます!

千代子(たかしの伯母)

主人は、パンに目がのうて。

柳井診療所の院長の妻・柳井千代子です。

屋村草吉(パン職人)

奥様〜ありがとうございます。
お包みしますんで、奥へどうぞどうぞ。

のぶ(幼少期)

ほお〜。

のぶはその様子に目を丸くしていました。

10銭の価値
昭和6年(1931年)の記録では、東京の学校給食で提供されるパンが1個あたり5銭程度で計算されていました。
また、パン屋で販売される場合も、10銭前後で小さなパンが手に入ったという記述があり、屋村の発言は決して大袈裟ではなかったようです。
当時の物価を参考にすると、米1kgが約20銭~30銭、豆腐1丁が2銭~3銭、新聞1部が5銭~10銭程度だったため、パン1個(5銭~10銭)は庶民にとってやや高級な食べ物と見なされていた可能性があります。
当時の資料などから1銭が約20円~30円に相当すると考えると、パン1個(5銭~10銭)は約100円~300円程度の感覚に近いかもしれません。

パンの余韻

朝田家の夕食。

のぶ(幼少期)

うち、あんな美味しいもん、生まれて初めて食べたちや。

のぶはご飯を食べながらうっとりしています。

結太郎(のぶの父)

のぶは、初めてパンを食べたがか。

のぶ(幼少期)

酸っぱくて、カチカチに固いパンやったら食べたことある。

結太郎(のぶの父)

ああ、酢パンかえ。

のぶ(幼少期)

けんど、あのおんちゃんのパンはぜんっぜん違う。

くら(のぶの祖母)

そ〜んな美味しいがやったら、あても食べたかったぁ。

釜次(のぶの祖父)

10銭もするがやぞ。買えるかや。

家族が話していると、のぶの手が止まりました。

結太郎(のぶの父)

のぶの頭の中は、パンでいっぱいかえ。

のぶ(幼少期)

ふふっ。

のぶは、「東京に帰れ」と言ってしまったたかしのことが気になっていました。

西洋かぶれ

柳井医院。

ダイニングテーブルには、パン、スープ、チキンソテーが並べられています。

登美子(たかしの母)

千尋ちゃんはまだ小さいのに、お上手だこと。

千尋は、慣れた手つきで上手にチキンを切り分けて食べていました。

千代子(たかしの伯母)

たかしさんは、チキンがお嫌いながやろか?

登美子(たかしの母)

そんなことないわよね。鶏肉好きよね、たかし。

柳井崇(幼少期)

うん。

柳井崇(幼少期)

あっ・・・!ごめんなさい。

上手く切り分けられず、たかしはチキンをお皿から滑らせてしまいました。

寛(たかしの伯父)

ふふ。謝るこたあない。
あの鳥はまだ生きちょって、飛んでったがよ。

千代子(たかしの伯母)

おしんちゃん、もう一枚焼いてくださる?

登美子(たかしの母)

あの、お箸もいただいていいですか。
たかしと・・・私の分も。

千代子(たかしの伯母)

あら、気づかずにごめんなさいね。

ぎこちなく笑う登美子。

翌朝。

登美子(たかしの母)

このうちは、西洋かぶれね・・・。

しん(柳井家の女中)

寛先生と奥様は、ハイカラながです。

女中のしんから弁当を受け取り、たかしは学校へ向かいます。

柳井崇(幼少期)

行ってきます!

登美子(たかしの母)

行ってらっしゃい。

たかしを見送る登美子の表情は、何かを考えているようでした。

やさしい人

小学校の算数の授業。

伊達先生(小学校の担任)

柳井、ようできた!

そう言って、たかしが板書した式にまるをつけます。

伊達先生(小学校の担任)

おまんらも頑張らんと、転校生に負けてしまうぞ。

岩男(同級生)

・・・ちっ。なんや。

岩男たちはおもしろくありません。

お昼時間。

たかしが中庭で弁当を広げていると、康太が近づいてきました。

康太(同級生)

おい、弁当よこせ!

柳井崇(幼少期)

・・・うん。

たかしは抵抗することもなく、素直に弁当を差し出します。

康太(同級生)

え?くれるがかえ?

予想外の反応に戸惑う康太。

そこへ、岩男が仲間を引き連れてやってきました。

岩男(同級生)

お、今日の弁当もうまそうやねや!
よこせ!

柳井崇(幼少期)

君が食べて?

たかしは岩男には渡さず、康太に弁当を差し出します。

岩男(同級生)

ちょっと勉強ができからって生意気じゃ!
よこせ!!

岩男(同級生)

いてっ!

のぶの下駄が岩男の背中にあたります。

のぶ(幼少期)

おまんら、また卑怯なマネして。

岩男(同級生)

おぼえちょれよ。ハチキンのぶ!

そう言って岩男たちはまだ逃げていきます。

康太は小さくお辞儀をして、お弁当を持って一緒に去っていきます。

のぶ(幼少期)

あ、コン太待て!弁当返せ!

柳井崇(幼少期)

いいんだ!
コン太くん、きっと朝ご飯食べてこなかったんだ。

たかしは、康太が午前中の授業でお腹が鳴っているのを聞いていました。

のぶ(幼少期)

・・・あんたの腹はどうなるがで?

のぶ(幼少期)

ひもじいがは何よりしんどいのに。

すると突然、のぶが申し訳なさそうに下を向きます。

のぶ(幼少期)

あ・・・、こないだのあれは取り消す・・・。

のぶ(幼少期)

しゃんしゃん東京にいなんでえい。
(さっさと東京に帰らんでいい)

柳井崇(幼少期)

・・・・ぷっ。

ジェットコースターのように変わるのぶの態度に、思わずたかしは笑ってしまいます。

柳井崇(幼少期)

ふふ。
朝田のぶさん。

柳井崇(幼少期)

君はちょっと怖いところもあるけど、やさしい人なんですね。

のぶ(幼少期)

へ、ヘナチョコ。
もう助けちゃらん!

のぶは照れるのを隠すようにたかしに背を向け、その場を去っていきました。

屋村の正体

放課後。

たかしは昨日と同じように河原に寄りました。

一人でスケッチブックを開いていると、声をかけられます。

屋村草吉(パン職人)

よう坊主!
また会ったな。

柳井崇(幼少期)

昨日はパンごちそうさまでした!

屋村がスケッチブックを覗き込むと、何も書かれていません。

屋村草吉(パン職人)

なんだ、真っ白か。

屋村草吉(パン職人)

ふ〜ん。
おまえもこの町に居場所がないんだなぁ。

柳井崇(幼少期)

おじさんも?ふふふ。

二人が笑い合っていると、のぶが息を切らしながら現れます。

昨日のパン職人を河原に見つけ、全力で走ってきたのです。

のぶ(幼少期)

ねぇ!オンちゃんはどっから来たが?

のぶ(幼少期)

なんであんな美味しいパン焼けるが?

のぶ(幼少期)

どこの人?どこで修行したが?

怒涛の質問責めが始まりました。

屋村草吉(パン職人)

住所不定のフーテンさ。
あちこち旅しながら、気が向いたらパンを焼いてる。

屋村草吉(パン職人)

それに、オンちゃんじゃなくて名前は「屋村」だ。

のぶ(幼少期)

ヤムおんちゃんかえ!

チグハグなやり取りを見ながらたかしは苦笑いをしています。

柳井崇(幼少期)

・・・ぼく、あれと同じくらい美味しいパン、前にも食べたことある。

屋村草吉(パン職人)

まっさか〜!俺様のパンは、天下一品だ。

たかしは、スケッチブックにパンの絵を描き始めます。

柳井崇(幼少期)

父さんが・・・
会社の帰りに買ってきてくれたんです。
銀座のパン屋さんで。

のぶ(幼少期)

ギンザってどこ?

たかしの話に、のぶが目を丸くしています。

柳井崇(幼少期)

東京の銀座だよ。

柳井崇(幼少期)

あの山越えて、海越えて、 ずっとずっと遠く。

のぶ(幼少期)

へぇ〜!!

ギンザは美味しいパンがある街。

のぶがイメージを膨らませている横で、たかしは思い出のパンの絵を描きます。

屋村草吉(パン職人)

・・・・。

そのパンの絵を見ながら、屋村の心は動揺していました。

ヤムおじさん=ジャムおじさん?
幼い頃ののぶとたかしに影響を与えるパン職人・屋村草吉。
この人物はドラマオリジナルのキャラクターとされていますが、その風貌や名前から「ジャムおじさんがモデルなのでは」と噂されています。
偶然を装いながらも、何かとたかしのことを気にしているため、亡くなった父親と関係があったのではないかと予想している筆者です。

結太郎の体調

柳井医院。

のぶの父・結太郎が診察を受けています。

寛(たかしの伯父)

脈に乱れがあるね。
無理せんと、おまん、たまには休め。

結太郎(のぶの父)

医者はすんぐに大げさに言うきにゃあ。
休んでらあおれるか。

結太郎(のぶの父)

今が勝負どころや。
来週は南京豆の買い付けに行くき、寛にも土産買うてきちゃお。

寛(たかしの伯父)

結太郎・・・。

お父ちゃんの夢

その日の夜。

朝田家の縁側では、のぶと結太郎がお月見をしています。

のぶ(幼少期)

お父ちゃんの夢は、日本一の会社を作ることなが?

結太郎(のぶの父)

アメリカにもイギリスにも負けん貿易会社を作る。

後ろで聞いていた、釜次とくら。

くら(のぶの祖母)

結太郎はちんまい頃から、「わしは龍馬の果たせんかった夢を叶えちゃる!」らあて。ふふふ。

釜次(のぶの祖父)

石屋を継げばええもんを・・・
大風呂敷広げおって。

結太郎(のぶの父)

・・・のぶ。
夢は大きいばあええがや。

結太郎(のぶの父)

おなごも、大志を抱きや。

のぶ(幼少期)

うん!

月明かりの中で、結太郎にくっつき、幸せそうな笑顔をするのぶ。

幸せな記憶

柳井家。

たかしは家に帰り、再びスケッチブックを開きました。

描いたのは、家族4人でパンを食べた思い出です。

東京銀座の「美村屋」という店の前で、笑顔でパンを頬張るたかしと千尋。

その様子を微笑みながら見ている父の清、母の登美子の姿です。

〜回想〜

清(たかしの父)

たかし、美味しいかい?

柳井崇(幼少期)

うん!千尋、美味しいね。

千尋

うん!

登美子(たかしの母)

母さんの分も食べていいわよ。はい。

千尋

わ〜い!母ちゃまありがとう〜!

〜回想終わり〜

まだ父が生きている頃の家族の記憶。

銀座での楽しいひと時を思い出しているたかしでした。

〜あんぱん第1回終わり〜

銀座の美村屋のモデルについてはこちらの記事でご紹介しています。

【あんぱん第1週】3回のあらすじ・ネタバレ吹き出し

あんぱん第1週「3回」のあらすじ・ネタバレを吹き出し形式でお届けします。

千尋の記憶

柳井家。

家族4人でパンを食べているスケッチを眺めるたかし。

そこへ、千尋がやってきました。

柳井崇(幼少期)

千尋。これ、東京だよ。
母さんと父さんだよ?

柳井崇(幼少期)

覚えてるか?

千尋

(首を横に振る)

柳井崇(幼少期)

そうか・・・
千尋はまだ小さかったからな。

家族の秘密

日曜日。

のぶが空き地を通りかかると、たかしと千尋がシーソーで遊ぼうとしていました。

のぶ(幼少期)

えい!行くで!

のぶが千尋の後ろに飛びのると、シーソーがギッコンバッタンと動き始めます。

千尋

あはは!ギッコンバッタン!

のぶ(幼少期)

ギッコンバッタン!

柳井崇(幼少期)

千尋、楽しいな!

千尋は楽しそうに笑っています。

そこへ、怖い顔をした登美子が近づいてきました。

登美子(たかしの母)

たかし!ダメじゃないの。
黙って千尋ちゃん連れ出したりして!

柳井崇(幼少期)

ごめんなさい。千尋が外で遊びたいって・・・。

登美子(たかしの母)

医院の大切なお坊ちゃんに、怪我でもさせたらどうするの!
千尋ちゃん、帰りましょう。

千尋

おばちゃん。僕もっと遊びたい!

しぶる千尋をシーソーから降ろして帰って行きます。

たかしは、のぶにポツリと話し始めました。

柳井崇(幼少期)

千尋は・・・ぼくの弟なんだ。

柳井崇(幼少期)

寛おじさんの家には子どもがいないから、千尋が養子になったんだよ。

のぶ(幼少期)

じゃ、アンタと千尋くんのお母ちゃんは同じで・・・
さっきのしょう怖いお母ちゃんかえ?

のぶ(幼少期)

けんど、千尋くん・・・
「おばちゃん」って呼びよったよね?

柳井崇(幼少期)

千尋は覚えていないんだ。
東京の家のことも、父さんや母さんのことも。

柳井崇(幼少期)

きっと僕のことも・・・

しょんぼりうつむくたかし。

のぶは、思いがけず、柳井家の複雑な事情を知ってしまい、一緒にしょんぼりしていました。

やなせたかしの弟の史実
やなせたかし先生には、同じような境遇の弟・千尋がいました。
5歳の時に父が亡くなり、弟・千尋(3歳)は高知の伯父の家(柳瀬医院)の養子となりました。

絵の才能

その日の夕方。

柳井家のダイニングテーブルで、たかしが絵を描いています。

寛(たかしの伯父)

へぇ!
たかしは絵が上手いねえ。
大したもんや。

登美子(たかしの母)

たかしは物心ついた時から絵ばかり描いていて・・・
清さんにもよく褒めてもらいました。

寛は、家族4人であんぱんを食べる絵に目がとまります。

寛(たかしの伯父)

えいなあ。
みんなの笑い声が聞こえゆうみたいな、あったかい絵やなぁ。

たかしの絵の才能に感心した寛。

寛(たかしの伯父)

たかし。
こじゃんと絵を描け!
好きなことはやればやるばあ、こじゃんと好きになる。

こじゃんと:土佐弁で「たくさん」「いっぱい」「ひどく」「徹底的に」などの意味。

柳井崇(幼少期)

・・・はい!

登美子もその絵を見ながら、横からささやきます。

登美子(たかしの母)

たかし。
母さんも、この絵好きよ・・・。

柳井崇(幼少期)

うふふ。

登美子(たかしの母)

でももう・・・
前を向かなきゃね・・・。

柳井崇(幼少期)

・・・・母さん?

不安になるたかし

夕暮れ時。

柳井家の縁側で、登美子はたかしの髪の毛を切っています。

登美子(たかしの母)

ねえ、たかし・・・?

登美子(たかしの母)

母さん、高知の街に用ができて、しばらく留守にするけど・・・たかしはこの家で待っててね。

登美子の言葉に、たかしの心がざわつきます。

柳井崇(幼少期)

・・・・いつ、帰ってくるの。

登美子(たかしの母)

ん?すぐよ。
それまでいい子にしてるのよ?

柳井崇(幼少期)

・・・・母さん。

たかしの心の中に、不安が広がるのを感じました。

そんなたかしの様子に気づいたのか、登美子が話題を変えます。

登美子(たかしの母)

たかしの耳、清さんにそっくりね。

柳井崇(幼少期)

え?

登美子(たかしの母)

清さん、いつも言ってた。
この耳は人の話がちゃんとよく聴こえる耳だって。
だから、新聞記者に向いてるんだって・・・。

登美子(たかしの母)

たかしも大きくなったら、お父さんみたいに、優しくて強くて、素敵な人になるわ。

そう言って、たかしの頭をくしゃくしゃに撫でました。

白いパラソル

翌朝。

小学校では、たかしが欠席しています。

伊達先生(小学校の担任)

なんだ、柳井は休みか。

岩男(同級生)

ちぇ。今日は弁当もなしかよ。

のぶ(幼少期)

(たかしの席を見つめるのぶ)

その頃。

彼岸花が咲く野道では、白いパラソルを持った登美子が歩いています。

柳井崇(幼少期)

お母さーん!お母さーん!

たかしと千尋が走って追いかけていきます。

登美子(たかしの母)

たかし・・・。
あなた、学校は?

柳井崇(幼少期)

・・・・。(首を横に振る)

柳井崇(幼少期)

千尋もついてきちゃったんだ。

登美子(たかしの母)

2人とも。早く帰りなさい。

登美子は静かにそう言うと、二人に背を向けて歩き出します。

柳井崇(幼少期)

母さんっ!

柳井崇(幼少期)

本当に・・・すぐ迎えに来てくれる?

ゆっくり振り返る登美子。

柳井崇(幼少期)

約束だよ!

登美子(たかしの母)

(笑顔でうなずく)

登美子(たかしの母)

それまで、寛おじさんたちの言うこと聞いて、いい子にしてるんですよ。
母さんはすぐ迎えに来ますからね。

柳井崇(幼少期)

うん・・・・・。

登美子(たかしの母)

千尋ちゃんもいい子でね。

千尋

(小さくうなづく)

登美子(たかしの母)

さぁ、みんな心配するから。
早く戻るのよ。

そう言って、登美子は再び歩き出しました。

柳井崇(幼少期)

お母さん〜!お母さん〜!

たかしと千尋は手を振り続けます。

登美子は振り返ることなく、白いパラソルをクルクルと回しながら、一本道を進んでいきました。

置き手紙

柳井医院。

千代子が慌てた様子で診察室に入ってきます。

千代子(たかしの伯母)

あなた!!

千代子(たかしの伯母)

登美子さんが出て行ったがです!

寛(たかしの伯父)

・・・そう。

千代子(たかしの伯母)

ご存じやったがですか?

寛(たかしの伯父)

・・・ああ。

寛(たかしの伯父)

たかしは?

しん(柳井家の女中)

お母さんを追っかけてったみたいで・・・
けんどさっき、千尋坊ちゃんと帰ってきました。

千代子(たかしの伯母)

清さんの一周忌もまだやのに。
あんな可愛い子を置き去りにして・・・
再婚するらあて!

しん(柳井家の女中)

さ、再婚!?

千代子(たかしの伯母)

置き手紙にそう書いちょりました。

寛(たかしの伯父)

・・・・。

登美子が再婚することまでは、寛も知らなかったようです。

うちが守っちゃる

朝田石材店。

のぶが学校から帰ってくると、くら、釜次、天宝和尚と団子屋の桂が話をしています。

くら(のぶの祖母)

あの子、置き去りにされたがじゃと。
東京から来たばっかりやのに、気の毒に・・・。

桂万平(団子屋)

ほんまになぁ・・・。

天宝和尚

女手ひとつで育てる自信がなかったがじゃろ。

釜次(のぶの祖父)

あれだけの美人や。
もうひと花咲かせるつもりかも知れん。

桂万平(団子屋)

着ちゅうもんも派手やったねや。

釜次(のぶの祖父)

息子は厄介ばらいかえ?それやち母親か!

柳井親子の話題が止まりません。

のぶ(幼少期)

・・・・。

影で会話を聞いているのぶ。

その後、のぶが買い物帰りに空き地に行くと、シーソーにぽつんと座り込んでいるたかしを見つけます。

のぶ(幼少期)

・・・ギッコンバッタン!

のぶがシーソーの反対側に飛び乗ると、たかしが一気に宙に浮きました。

柳井崇(幼少期)

・・・・!

のぶ(幼少期)

シーソーは、二人で乗るもんやき!

反動でたかしのお尻にシーソーの板がガツンと当たり・・・

柳井崇(幼少期)

痛いよ!

のぶ(幼少期)

そればあ辛抱せい!

お尻を痛がるたかし無視して、のぶはシーソーを漕ぎ続けます。

のぶ(幼少期)

・・・どういて、学校休んだがで?

のぶ(幼少期)

ずる休みはいかん!
たっすいがは、いかん!

柳井崇(幼少期)

たっすい、って・・・何のこと?

のぶ(幼少期)

ヘナチョコのことや!

たかしは、またしょんぼりしてしまいます。

のぶ(幼少期)

・・・しゃあない!
たかしはうちが守っちゃる!

のぶが大きな声で宣言すると、たかしは驚きます。

”守る”宣言は、のぶなりの優しさでした。

のぶ(幼少期)

ギッコンバッタン!

柳井崇(幼少期)

・・・のぶ、ちゃん。

のぶ(幼少期)

へへ!
なんで、たかしぃ!

のぶ(幼少期)

ギッコンバッタン!

柳井崇(幼少期)

ギッコンバッタン!

シーソーを漕ぎながら、たかしもいつの間にか笑顔になっていました。

〜あんぱん第3回終わり〜

やないたかしとシーソー
嵩のモデルのやなせたかしは、「やなせたかし おとうとものがたり」(フレーベル館)で「シーソー」という詩を残しています。「ぼくと弟はシーソーのことをギッコンバッタンといっていた」という内容の通り、二人はよくシーソーで遊んでいたようです。

【あんぱん第1週】4回のあらすじ・ネタバレ吹き出し

あんぱん第1週「4回」のあらすじ・ネタバレを吹き出し形式でお届けします。

ひと月の出張

朝田家。

のぶ(幼少期)

お父さん、今度はどこ行くが?

結太郎(のぶの父)

朝鮮の京城(けいじょう)や。
ここやき。

地図を指差す結太郎。

結太郎(のぶの父)

今度の日曜日に御免与から汽車で出発して、下関の港から船に乗って・・・

のぶ(幼少期)

いつもんてくる?

結太郎(のぶの父)

ひとつき先や。

のぶ(幼少期)

えーたまるかー。
そんなに先かえ・・・。

その後の通学路。

商店街をのぶとたかしが並んで歩いています。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃんのお父さん、出張に行っちゃうのか。

のぶ(幼少期)

うん、ひとつきもやき。

のぶ(幼少期)

あれ、たかしのお弁当、今日はとびっきりしゃれちゅうやいか?

柳井崇(幼少期)

今日のお弁当は、おばさんが作ってくれたんだ。

柳井崇(幼少期)

お母さん、いつ帰ってくるのかなぁ。

のぶ(幼少期)

・・・・。

のぶは、くらたちの世間話を思い出し、複雑な気持ちになっていました。

父がひと月いないだけでこんなに寂しいのに、お母さんと会えないたかしが不憫でした。

のぶ(幼少期)

たかし、学校まで競走や!よーいどん!

柳井崇(幼少期)

あ、のぶちゃん待って!
ずるいよー!

二人は学校に向かって駆け出していきます。

ハチキンおのぶ

学校の昼休み。

たかしとのぶは裏庭で並んでお弁当を食べています。

そこへ、待ち構えていたかのように岩男たちが近づいてきました。

岩男(同級生)

これはこれは、仲のよろしいことで!

康太(同級生)

今日もうまそうやき。

のぶ(幼少期)

岩男!
いつも寄ってたかって卑怯や。

岩男(同級生)

女子に守ってもらうらあて、たっすいが!

岩男(同級生)

たかし、弱虫、都会の子!

周りにいた子供たちも一緒になってからかい始めます。

岩男(同級生)

大人しゅう弁当よこせ!

のぶ(幼少期)

やるもんか!卑怯もんは許せん!

のぶが下駄を脱ぐと、たかしが咄嗟に止めに入ります。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃん!だめだよ!

岩男(同級生)

ハチキンのぶは、走っていねー!

今後はのぶに向かって岩男たちがからかい始めます。

のぶ(幼少期)

許せん!岩男〜!

岩男(同級生)

おなごのくせに〜!

二人は取っ組み合いになります。

岩男(同級生)

いってぇ〜!

岩男をぶん投げると、地面に頭を打ってしまい、赤いものが出てしまいました。

母親の言葉

岩男の家の玄関先。

羽多子(のぶの母)

大事な息子さんにケガをさせてしもうて、申し訳ありません!

おまんくの娘は、本当に悪いことしたと思うちゅうがかえ?

のぶ(幼少期)

・・・ごめんなさい。

岩男の両親に、深々と頭を下げる親子。

のぶ(幼少期)

ケガをさせたことは謝ります。
けんど・・・

・・・・けんど?

のぶ(幼少期)

弱いものいじめするがが悪いがや!

羽多子(のぶの母)

のぶ!

岩男!あんた悔しゅうないがかね!

岩男(同級生)

・・・うえ〜ん。

岩男はついに泣き出してしまいます。

帰り道。

羽多子(のぶの母)

のぶ。
なんぼ自分が正しい思うたち、らんぼうはいかん。
相手に恨みが残るだけやき。

羽多子(のぶの母)

恨みは恨みしか生まんがよ。

のぶ(幼少期)

・・・・。

のぶは言われた意味を考えながら、羽多子についていきます。

たかしの決断

翌朝の学校。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃん・・・
もう僕を守るのはやめてほしいんだ。

のぶ(幼少期)

え?なんで?約束したがや。

柳井崇(幼少期)

僕は弱虫じゃない!
たっすいがーじゃない。

柳井崇(幼少期)

弁当は一人で食べるよ。

のぶ(幼少期)

でも・・・。

柳井崇(幼少期)

女の子に守られたら、余計に惨めになるから。ごめん。

のぶ(幼少期)

・・・。

たかしの言葉に、廊下でしょんぼり佇むのぶ。

たかしはこれ以上、岩男達とのいざこざにのぶを巻き込みたくなかったのです。

そのままでえい子や

日曜日の朝。

朝田家では、出張の支度を終えた結太郎がトランクを持って立っています。

結太郎(のぶの父)

じゃあ、留守を頼む。

のぶ、蘭子、メイコの三姉妹が結太郎の周りに集まりました。

結太郎(のぶの父)

のぶ。
おまんの強情っぱりは、わしに似たがや。

のぶ(幼少期)

え、お父ちゃんに?

結太郎(のぶの父)

のぶは、そのまんまでえい子や!

結太郎(のぶの父)

蘭子も、メイコも。
そのまんま自分を曲げんと、まっすぐ大きゅうなれ。

結太郎(のぶの父)

海の向こうやったら、男に負けんばあ活躍しゅう女の人がこじゃんとおる。

結太郎の言葉に、のぶの瞳はキラキラと輝きます。

結太郎(のぶの父)

おなごも遠慮せんと、大志を抱きや。

のぶ(幼少期)

はい・・・・!

結太郎(のぶの父)

ほいたら、行ってくる。

羽多子(のぶの母)

お気をつけて。

結太郎に帽子を差し出す羽多子。

のぶ(幼少期)

お父ちゃん、うちもいく!

のぶは急いで下駄を履き、結太郎を見送りに家を飛び出しました。

御免与駅。

柳井崇(幼少期)

ヤムラのおじさん、また会える?

屋村草吉(パン職人)

たかし。人生に別れは付きもんだ。
あばよっ!

屋村草吉(パン職人)

広島まで、3等1枚!
・・え?足りない?ちょっと待って・・・

汽車の代金が足りず、慌てる屋村。

駅の待合場では、結太郎とのぶが座って汽車を待っています。

のぶ(幼少期)

ねぇ・・・お父ちゃん・・・
うちの夢ってなんやろう?

結太郎(のぶの父)

ゆっくり見つけたらえい。
見つかったら、思いきり突っ走ればえい。

のぶ(幼少期)

うち、お父ちゃん好きや。
世界一大好きや・・・!

のぶは、結太郎にぎゅっと身を寄せました。

結太郎(のぶの父)

ほいたら、行ってくるき。

そして、改札口に向かって歩き出します。

結太郎は愛おしげに微笑み、自分のソフト帽をのぶの頭にそっと載せました。

のぶ(幼少期)

お父ちゃん!
早うもんてきてよー!

のぶ(幼少期)

行ってらっしゃーい!

結太郎は微笑み、高知行きの汽車で旅立っていきました。

その二人のやりとりを、たかしと屋村は見つめていました。

突然の知らせ

それから1ヶ月後。

夜の柳井医院に電話が鳴り響きました。

寛(たかしの伯父)

もしもし、柳井医院です。

寛(たかしの伯父)

・・・はい。
うちの患者ですが・・・え?

呆然とした立ち尽くす寛。

その頃、朝田家は家族みんなで団欒していました。

そこへ固い面持ちの寛が入っていきます。

釜次(のぶの祖父)

寛先生。
こんな時間に、どいだがで?

羽多子(のぶの母)

・・・先生?

寛(たかしの伯父)

結太郎さんが・・・帰りの船の上で・・・

寛(たかしの伯父)

心臓発作をおこいて・・・息を・・・引き取られたそうです。

突然の知らせに、朝田家の一同は言葉を失いました。

〜あんぱん第4話終わり〜

小松暢の父は39歳で他界
朝田のぶのモデル小松暢さんの父・池田鴻志(こうし)さんは、結太郎と同じように全国を飛び回る商社マンでした。しかし、赴任先の釧路で5年勤務した後、1924年に39歳で亡くなれています。当時、暢さんは6歳(小学1年)。ドラマよりも早い別れを経験したのです。
そして偶然にも、やなせたかし先生の父・柳瀬清さんも、同年に赴任先の中国で亡くなっています。31歳の若さで、やなせ先生は当時5歳でした。

【あんぱん第1週】5回のあらすじ・ネタバレ吹き出し

あんぱん第1週「5回」のあらすじ・ネタバレを吹き出し形式でお届けします。

固まった心

1927年(昭和2年)の秋。

大好きなお父ちゃんがあの世に旅立ちました。

悲しみに沈む朝田家の葬列がゆっくりと進んでいきます。

羽多子(のぶの母)

・・・・。

その後ろで、釜次とくらは目に涙を浮かべていました。

釜次(のぶの祖父)

・・・・。

くら(のぶの祖母)

・・・うぅ・・・。

寛(たかしの伯父)

結太郎・・・。

寛とたかしは畦道に立ち、手を合わせています。

のぶは、少しも泣けませんでした。

のぶ(幼少期)

・・・・。

心がカチコチに固まり、一粒の涙も出てきません。

食欲がないくら

朝田家。

寛(たかしの伯父)

くらばあ、どうで?

羽多子(のぶの母)

ずっとなんちゃあ食べてないがです。
夜も眠れんみたいで。

寛(たかしの伯父)

食欲が出るくすりも持ってきたき。

くら(のぶの祖母)

・・・先生。
結太郎は・・・何のために生まれてきがやろ・・?

寛(たかしの伯父)

子供の頃から・・・自分の夢を懸命に追いかけた。
それが、結太郎の喜びながや。

その後も、くらの食欲は戻りませんでした。

たったひとりで

物部川の河原。

たかしと屋村は、のぶの父親の話をしています。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃんのお父さん、亡くなったんだ。
出張から帰ってくる船の上で・・・。

屋村草吉(パン職人)

え?そうか・・・
じゃああれが最後の別れか。

御免与駅での見送りを思い出す屋村。

屋村草吉(パン職人)

お前の父ちゃんはどこだ?

柳井崇(幼少期)

もういない。
シナのアモイっていうことろで、病気にかかってしんじゃったんだ。

屋村草吉(パン職人)

あ・・・。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃんのお父さんも、遠い海の上でしんじゃった。
家族も誰もいないところで、ひとりぼっちで・・・。

屋村草吉(パン職人)

たったひとりで生まれて、たったひとりでしんでいく。
人間ってそんなもんだ。

屋村草吉(パン職人)

お前も、俺も、あのチビも。
人間なんて・・・おかしいなぁ。

生きちゅうき悲しいがや

その日の夜。

たかしは寛と一緒に縁側に腰を下ろしました。

柳井崇(幼少期)

おじさん・・・。
どうしたら、のぶちゃんに元気になってもらえるのかな。

柳井崇(幼少期)

ぼくにできることは、ないのかな・・・?

たかしは、のぶに元気になってもらう方法をずっと考えていたのです。

寛(たかしの伯父)

そればっかりは、医者にも治せん。

寛(たかしの伯父)

「時」という薬しかない。

寛(たかしの伯父)

でも、それが生きちゅうことやないかえ。

柳井崇(幼少期)

生きちゅうこと?

寛(たかしの伯父)

生きちゅうき・・・悲しいがや。
生きちゅうき・・・苦しいがや。

寛(たかしの伯父)

生きちゅうき・・・
いつか元気になって・・・
また笑える日が来るがや。

寛の言葉が、たかしの心にじんわりと染み入ります。

”生きていれば、きっと笑える日がくる”

暗闇を優しく照らす満月。

たかしは自分の境遇にも照らし合わせ、少しだけ光が見えた気がしました。

一枚の絵

朝田石材店。

釜次と弟子の豪(ごう)が墓石に名前を彫っていました。

釜次の目には、涙がにじんでいます。

釜次(のぶの祖父)

息子の墓石を彫ることになるらあて・・・。

原豪(釜次の弟子)

親方・・・。

のぶは居間の柱にもたれかかり、結太郎の帽子をぼんやり眺めていました。

そこへ、遠くから蒸気機関車の汽笛の音が。

のぶ(幼少期)

・・・・!

羽多子(のぶの母)

のぶ?

のぶは家を飛び出し、商店街を全速力で駆けていきます。

あまりの勢いに下駄が脱げても、裸足のまま駅に向かって走り続けました。

のぶ(幼少期)

はぁ・・・はぁ・・・!

同じ頃、御免与駅。

たかしが駅のスケッチをしていました。

改札口を行き交う乗客の中に、のぶの姿を見つけるたかし。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃん・・・?

のぶはたかしに気づくこともなく、息を切らしながら、辺りをキョロキョロと見回しています。

のぶ(幼少期)

お父ちゃん・・・?

のぶ(幼少期)

お父ちゃん?

のぶは、必死に結太郎を捜していたのです。

しかし、結太郎の姿はどこにもありません。

のぶ(幼少期)

・・・・。

誰もいなくなり、泣きそうな顔で改札口に立つのぶ。

柳井崇(幼少期)

のぶちゃん、これ・・・。

そこへたかしが描き上げたスケッチを差し出しました。

のぶがスケッチに目を落とすと、そこには、あの日の光景が描かれていました。

結太郎に帽子を被せてもらい、笑顔ではしゃぐのぶの姿。

のぶ(幼少期)

うっうう・・・

のぶ(幼少期)

お父ちゃん・・・お父ちゃん・・・・。

ついに、のぶの瞳から涙があふれ出しました。

ずっと凍っていたのぶの心が溶け出したように、涙があふれて止まりません。

スケッチブックを抱きしめるのぶ。

生きる力

たかしと一緒に商店街を歩いて帰っていました。

すると、山盛りのパンを載せたカゴを手に歩く屋村が二人を追い越していきます。

屋村草吉(パン職人)

おい!ついてきな。

屋村は、朝田家に入りました。

屋村草吉(パン職人)

さあさあ皆さん、集まって!
焼きたてのあんぱんをどうぞ!

ホカホカのあんぱんを皆に差し出し始めます。

のぶ(幼少期)

あんぱん?
あんぱんって、何で?

突然の訪問に朝田家の人々は面食らいながらも、あんぱんの甘い香りにそそられます。

釜次はあんぱんを手に取り、半信半疑の表情でかじりました。

釜次(のぶの祖父)

・・・んん?
んまい!!!

屋村草吉(パン職人)

あ、お代はあとでちゃんと頂きますよ。
さあさあ、まだまだあるぞ〜!

たかし、のぶ、蘭子、メイコも一斉にあんぱんを頬張ります。

柳井崇(幼少期)

おいしいね!

のぶ(幼少期)

たまるかー! おいしい!

のぶ(幼少期)

くらばあ・・・
こじゃんとおいしいで?

くらは、手渡されたあんぱんをひと口かじってみました。

くら(のぶの祖母)

おいしい・・・
結太郎にも食べさせちゃりたかったねえ。

羽多子(のぶの母)

お義母さん・・・。

ゆっくりとあんぱんを味わうと、くらの目からは涙があふれ出しました。

釜次(のぶの祖父)

こんなうまいもん食べんと死ぬらあて、バカな奴や!

羽多子(のぶの母)

・・・ほんまにおいしい。
ここがホカホカします。

そう言って羽多子は手のひらで胸をさすり、泣き笑いながら食べていました。

のぶ(幼少期)

ほんまや。
ここがホカホカする・・・。

柳井崇(幼少期)

ふふふ。

そんなのぶの姿に嬉しくなるたかし。

この日。

朝田家の人々は、焼き立てのあんぱんから、生きる力をもらったのでした。

〜あんぱん第1週終わり〜

朝田石材店のモデル・小松暢の実家についてはこちらの記事で紹介しています。

次週のあらすじ>>

【あんぱん】第1週「人間なんてさみしいね」の感想と解説

あんぱん第1週の感想と解説

あんぱん第1週のタイトルは「人間なんてさみしいね」。

このタイトルは、やなせたかし先生が詠んだ詩「人間なんてさみしいね」をモチーフにしているようです。

その詩の一部をご紹介します。

とにかくこうして

何となく

諸行無常と生きている

このたよりない存在を

誰かがみとめてくれること

「人間なんてさみしいね」やなせたかし

心と心がふれあって

何も言わずにわかること

ただそれだけのよろこびが

人生至上の幸福さ

「人間なんてさみしいね」やなせたかし

たったひとりで生まれてきて

たったひとりでしんでいく

人間なんてさみしいね

人間なんておかしいね

「人間なんてさみしいね」やなせたかし

この詩を読むと、屋村が河原で同じことを言っていたことが思い出されます。

あんぱんの第1週では、のぶと嵩の出会い、そして家族との別れが描かれました。

「このたよりない存在を誰かが認めてくれる」

「心と心が触れ合う」

という一節は、まさに、第1週でのたかしとのぶの関係性を連想させます。

登美子が出ていき、一人ぼっちになり、空き地で塞ぎ込んでいた嵩。

そこにのぶがかけ寄り、勢いよくシーソーを漕ぎ出すシーン。

そして、のぶの父が亡くなり、駅舎でたかしがスケッチを渡すシーン。

それぞれが「何も言わずとも、心と心が触れ合う」を象徴するような温かな場面になっていたと筆者は感じました。

スケッチを見て大泣きするのぶのシーンでは、筆者も涙腺が緩んでしまいました。

そして、伯父の寛の「生きちゅうき、悲しいがや」というセリフにも注目。

やなせたかし先生が作詞した「手のひらを太陽に」の一節が思い出されます。

ぼくらはみんな 生きている

生きているから かなしいんだ

「手のひらを太陽に」やなせたかし

伯父の寛は、「どんな時も二人を励まし続け、生きる道しるべを示す」という役柄です。

今後も、やなせたかし先生の作品に影響を与えるような言葉が、ドラマのセリフとして飛び出すのではないかと推測しています。

また、もう一点注目したいのは「たかしが悪ガキに弁当を差し出した」シーンです。

お腹を空かせている康太に、抵抗もせず、むしろすすんで弁当を渡していましたよね。

このシーンは、やなせたかし先生の「アンパンマン」の原点とも思える部分です。

やなせさんは「本当の正義のヒーローは戦いに勝つことではなく、ひもじい者に食べ物を与える者だ」という考えを持っていました。

「正義」と「悪」は、ある日突然逆転することがある。

しかし、飢えている子供に一切れのパンを与えることは、決して「ひっくり返ることのない正義」である。

そのような思いから、「逆転しない正義とは、献身と愛だ」と先生は語っています。

飢えている人に自分の顔を食べさせるという異色のヒーロー・アンパンマン。

アンパンマンに、そんなに深い意味が込められていたとは・・・と筆者も驚かされました。

いじめっ子に対しても、「献身と愛」で対応しようとする心優しい少年の姿は、後のアンパンマン誕生を思わせてくれますね。

また、朝田家のみんなが「あんぱんを食べて元気になる」というシーンも、後のアンパンマン誕生を連想させる場面になっていたと思います。

(屋村は一体何者・・・?)

そして・・・。

来週で気になるポイントは、「母・登美子(松嶋菜々子)の行方」ではないでしょうか?

史実をご存知の方であれば、登美子が出ていくシーンに心を痛めているはずです。

悲しい真実が待っているかもしれませんが、「たかし少年に救いがあって欲しい」と願っている筆者です。

のぶとの関係性はどのように進んでいくのでしょうか。

大黒柱を失ったのぶの家族も、どのように再生していくのか・・・。

次週以降のあらすじは、下記のリンクからどうぞ。

次週のあらすじ>>

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